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岩崎夏海さん のコメント

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岩崎夏海
>>2
その通りですね。実際、六本木ヒルズにあるTSUTAYAはスターバックスと組み合わさっていて、なかなか面白いです。でも、ぼくとしてはあの店は色々と不満があって「もっとやり方があるんじゃないか」と、行くといつももやもやとさせられます。池袋のジュンク堂の喫茶スペースで一度トークイベントをさせてもらったことがありましたが、その時はなかなか雰囲気が良かったですね。
No.4
141ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
最近、未来予測のうちでも喧しく言われているのは、「これから仕事がますます減るだろう」ということだ。 減ると予測される理由はいくつかあるが、そのうちの大きな一つに「人間のやっていた仕事がITに取って代わられる」というのがある。これは、誰にでもイメージがしやすいだろう。なぜなら、もう実際にそうなりつつあるからだ。 「ITに取って代わられる」といってまず真っ先に思いつくのは、Googleカレンダーができて手帳が売れなくなったとか、Googleマップができて地図が売れなくなったなどという事例だが、それ以外にも、例えば産業の構造が変化し、その結果仕事が減ってしまったというものもある。代表的なのは、デジカメができたおかげで消滅したフィルム産業だが、「本屋さん」もその一つだ。本屋さんは、二つの意味でITに取って代わられる危機にさらされている。 一つは、もちろん電子書籍。 電子書籍の環境が整備されれば、人はどこにいたって瞬時に本を買うことができる。本屋さんに行く手間も、重い本を持って帰る労力も省ける。価格だって安くなる。これらのメリットはあまりにも大きく、本屋さんが対抗するのはかなり難しいだろう。 もう一つがAmazonの存在だ。既存の本屋さんは、すでにAmazonに勝つことが難しくなっている。特に、地方の本屋さんが太刀打ちできない。 本屋さんは、主に次の二つの点でAmazonに後れを取っている。 一つは、品揃え。 本屋さんは、人通りの良い、立地の良いところにお店を構える必要がある。そのためテナント費が高くつき、店舗をあまり大きくできないので、取り揃えておける本の数には限界が出てきてしまう。 ところがAmazonは、通販であるために店舗を構える必要がない。その代わり、賃料の安い町外れに大きな倉庫を構えることができるので、比較にならないくらい多くの本を取り揃えておくことができる。この差は大きい。 二つは、手間。 本屋さんに行くには手間がかかる。特に地方の本屋さんは、車で30分以上かかるというのもざらである。だから、手間だけではなくガソリン代もかかるのだ。 一方Amazonは、家や外出先でもサイトのボタンをぽちっと押すだけである。手間やお金はかからない。もちろん、届くまでには1日か2日タイムラグがあるけど、現代においては「すぐにでも読まなければならない本」というのは滅多にないから、それがデメリットになることはほとんどない。なので、やっぱりAmazonが強いのである。 このように、本屋さんを取り巻く環境は厳しさを増すばかりである。そのため、これからなくなる職業の上位に挙げられたりしているのだけれど、ここでは逆に、そんな本屋さんが生き残るにはどうすればいいか?――というのを考えてみたい。 なぜそれを考えるかというと、これから仕事がますます減っていけば、就労できなくなる人も当然増えて、それは大きな社会問題になるだろうからだ。もちろん、食い扶持を稼げなくなるというのも問題だけれど、それ以上に大きいのは、仕事に就かない人が「人としての尊厳を保てなくなる」ということである。 人は、仕事を通じて他者や社会に貢献することにより、初めて人としての尊厳を保てるようになっている。たとえ社会保障など他者からの施しで食べていくことができたとしても、心は腐っていくばかりだ。ニートをしていてもちっとも楽しくないのは、どこまでも劣等感がつきまとうからである。 だから、これからも仕事は必要とされるのである。そして、これから仕事がますます減っていくのだとしたら、その分、新しい仕事を作っていくことが大切になるだろう。これからは、仕事を創出する能力――ジョブメイク力がだいじになってくるのだ。 そこでここでは、その思考実験として、本屋さんの生き残る道を考えてみたい。 まず初めに取り組まなければならないのは、本屋さんが持っている魅力のうち、電子書籍やAmazonでは代替できないものは何か?――ということを考え、それを提供していくことだ。 そこで以下に、電子書籍やAmazonでは代替できないものを、3つ考えてみた。  
ハックルベリーに会いに行く
『もしドラ』作者の岩崎夏海です。このブロマガでは、主に社会の考察や、出版をはじめとするエンターテインメントビジネスについて書いています。写真は2018年に生まれた長女です。