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第一二章「伝説のチャンピオン」
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エミ子が着替えるのを待ってから、ぼくらは小屋を出た。
エミ子もそうだけど、ぼくらはネイティブ・アメリカンの民族衣装のような服を着せられた。それはアイヌの服のようでもあった。とにかく、そういう古い民族衣装だ。
その服は、小屋にいた女の子も着ていた。どうやらそれが、クリヤビトの一般的な格好らしい。
小屋を出ると、すぐ前が広場のようになっていて、そこには子供も含め何人かの村人たちが行き来していた。どうやら、ここは集落の真ん中辺りにあるらしい。
それから、ぼくたちは北に向かって歩いた。これから行く会長の家は、この集落の北の外れにあるらしい。
歩きながら、ぼくは前を歩く女の子に向かって尋ねた。
「きみの名前、聞いてもいい?」
すると彼女は、間髪を入れず「タカコよ」と答えた。「――年齢は15歳」
すると、エミ子が目を丸くして言った。
「私たちと一緒
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