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MITの学生だったスティーブ・ラッセルは、学内に導入されたPDP-1で日々遊ぶ、鉄道模型クラブに所属するハッカーの一人だった。仲間たちがさまざまなハッキングをする中、彼も独自のハッキングを思いつく。それは、PDP-1で「宇宙戦争のシミュレーターを作る」ということだった。つまり、世界で最初のゲームソフトはシミュレーターだった。ただし、この世には実在しない「SF世界」のシミュレーターだ。
ここのところに、すでに「ゲームの本質」というものが現れている。「ゲームとは何か?」を定義するとき、その最も有力な答えの一つに「戦争のシミュレーター」というものがある。
バックギャモンやチェスや将棋など、古来より受け継がれるゲームはたいてい「戦争のシミュレーター」だ。鬼ごっこも小規模な戦争(殺し合い)のシミュレーションといえよう。つまり戦争のシミュレーションは、ゲームの根幹にあるものだ。
なぜ戦争のシミュレーシ
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