ラルフ・ベアは「テレビをハック」した。ブラウン管というどこの家庭にもある「既存のもの」を使って、新しい魅力的な製品を考案したのだ。オデッセイというテレビ接続型ゲーム機を発明したのである。

これは衝撃だった。何より「テレビを使える」というのが魅力だった。それまで受動的だった「ブラウン管の映像」を、自分でコントロールできるとこの衝撃にユーザーは酔いしれた。そのため瞬く間に広がり、日本では「テレビゲーム」という呼称が定着するまでになった。

ラルフ・ベアのオデッセイに収録されていたゲームの一つを真似、ブッシュネルは「ポン」を開発する。1972年のことだ。これはアーケードゲームだった。
その後、訴えたベアと和解すると、今度は家庭用のポンを1974年に発売する。ここでも、ベアの「テレビを使う」というアイデアを真似たが、ビジネスモデルを真似ることはアイデアの盗用にはならなかった。この頃、ジョブズが40番