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今回は、「正解はない」という価値観が広まった経緯について見ていきたい。
……といっても、結論はシンプルだ。それは「終戦」だ。終戦で、この考え方は日本に一気に拡散し、また瞬く間に定着してしまった。
そうなった理由の推察も、とても容易だ。戦前戦中、日本には「正解はある」という価値観が当たり前にあった。その中で、「鬼畜米英」「八紘一宇」「進め一億火の玉だ」などの「誤った価値観」が称揚された。これが「正解」だと、政府や大人たちは盛んに喧伝した。
ところが、それが終戦でひっくり返った。大きな誤りであったと認めた。
つまり、180度ひっくり返ったのだ。文字通りのコペルニクス的転回だ。
おかげで、昨日まで「鬼畜米英!」と叫びながら竹槍を突き刺す練習をしていた子供たちは、次の日から進駐軍に「ギブミーチューインガム」と英語でねだる羽目になった。
そうした強烈な「裏切り」の体験は、子供たちの心のうちに「二度と
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