ぼくはもうずいぶん前からトランプは時代の象徴と考えてきた。だから彼の4年前の当選もかなり早くから予測していた。

なぜ彼が「時代の象徴」なのかといえば、現代は政治家にトリックスターを求めているからだ。実務よりも人々を楽しませてくれることを求めている。そういう欲求に最も呼応しているのがトランプだ。だから、彼の大統領当選は順当だった。

ところが、それから4年経って潮目が変わった。というのも、飽きっぽい人々はもはや政治にトリックスターを求めなくなった。代わりに「お飾り」を求めるようになった。ダルマみたいな「お守り」を求めるようになった。だからバイデンが当選したのだ。ああいう「なんかありがたそうなおじいちゃん」こそ、今の時代にマッチしているからだ。

ただ、その意味ではトランプも「ありがたそうなおじいちゃん」ではあるので、当選するのに必要な条件は兼ね備えていた。だからバイデンと接戦になった。
それでも