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生きるとは何か?
その答えはいくつもあるだろうが、まず筆頭に挙げたいのは、「当たり前ではない」ということだ。きわめて「希(まれ)」である。一種の奇跡と言っていい。
しかしながら、それは確率論的に奇跡という訳ではない。人間にとって、生きるということは必ずしも選択的なものではない。ある種の運命的なもので、避けられない。我々は、既に気づいたときには生きている。だから、それは誰にとっても所与のものであり、前提となっている。
それゆえ、生きるとは「当たり前」でもある。我々は、気づいたときには生きているが、そもそも生きていないと気づけないので、生きているのは当たり前と思う傾向が強い。
それでも、生きている人にとっては誰にとっても未来の話ではあるが、死ぬという運命が待っている。そうなる可能性が、避けようがなく高い。
そういう中で考えると、「生きるとは当たり前ではない」という価値観には、比較的容易に到達す
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後半のマトリョーシカ的な矛盾展開に、少し笑ってしまいましたが
全くその通りだと感じました。
この連載も楽しみにしております。
とても面白い展開で、色々なことを考えながら何度も読み返しました。シリーズの続きがすごく楽しみです。「生死について深く考えないようにするために深く考える」ための取っ掛かりとして、ハックルさんおすすめの一冊があればぜひ教えて下さい。
"深く考えないという境地は、恐ろしいことに深く考えることによってしか到達できない。"
初回から引き寄せられます(笑)。