ハックルベリーに会いに行く
マンガの80年代から90年代までを概観する:その41(2,190字)
赤塚不二夫は1935年の生まれだ。満州で生まれ、暮らしていたが、終戦によって日本に引き揚げる。
憲兵だった父親はシベリア送りとなったため、母親の実家を頼って奈良に引っ越す。この頃、お金がなくて苦労し、また学校でもいじめられたという。そんなときに手塚治虫の『ロストワールド』を読み、マンガ家になることを決意。そのことが、彼の心の支えとなった。
中学生のときに父親が解放され、郷里の新潟に戻る。奈良での暮らしには貧乏がつきまとっていたため、赤塚は父親を頼って新潟の親戚の家に引っ越す。しかし、そこで冷たく扱われ、やはり苦労した。そんなふうに、少年期はずっと、貧乏で寂しい思いを味わっていた。
中学を出るとすぐに働き始めたが、この頃から『漫画少年』への投稿も始めた。働き始めて3年が経過した18歳のときに父親とともに東京へ引っ越すが、そこで「漫画少年」への投稿を介して石ノ森章太郎と出会う。この石ノ森との出
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