you-meさん のコメント
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「風の谷のナウシカ」は、1984年の封切りだから、今から30年も前の作品だ。この作品は、宮崎駿監督がテレビの監督から転身し、映画監督としての足がかりを作った重要な作品である。 その意味で、宮崎駿監督のデビュー作とも言えるような作品だ。そしてデビュー作には、作家の全てが現れるという。だから、この作品もそうなっている。ここには、宮崎駿監督のさまざまなものが詰まっているのだ。 その意味で、この作品はとても重要なものと位置づけられる。この映画が封切りされてから30年が経ち、宮崎駿監督がその後、さまざまな作品を作ってきたことによって、逆に、デビュー作とも言えるこの作品の重要性が浮き彫りとなってきた。 ところで、この作品には、宮崎監督自身が描いたマンガの原作がある。そのマンガとアニメとでは、登場人物や世界観は似ていても、ストーリーが大きく異なっている。だから、両者は通常別の作品と見られるし、あるいはその差異が、宮崎駿監督やこの作品を読み解く大きな鍵ともなっている。 そのマンガは7巻まであるのだが、その最後のコマに、一つの言葉が書かれている。それは、こんな言葉だ。 「生きねば……」 ところで、宮崎駿監督は、今年の夏にも、新作の封切りを控えている。それは「風立ちぬ」というタイトルなのだが、 その公式ページ に飛ぶと、ポスターを見ることができる。 ――と、そのポスターを見て驚いた。そこには、タイトルの横に大きくコピーが記されているのだが、それはこのような言葉だったのである。 「生きねば。」 この一致が、偶然かわざとかは分からない。しかしこの一致は、「風立ちぬ」という作品と「風の谷のナウシカ」という作品とを結びつける、一つの有力な架け橋となることは間違いない。あるいは、両作品を読み解く大きなヒントになるとも言える。 そこでここでは、夏に公開される「風立ちぬ」に備える意味でも、今一度「風の谷のナウシカ」を振り返り、そこに書かれていた「生きねば」という言葉が何を指し示すのか、あらためて考えてみたい。
『もしドラ』作者の岩崎夏海です。このブロマガでは、主に社会の考察や、出版をはじめとするエンターテインメントビジネスについて書いています。写真は2018年に生まれた長女です。
ぶれる人格を否定しつつも生の方向へ肯定するというテーマがあることでしょうか。
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