ハックルベリーに会いに行く
マンガの80年代から90年代までを概観する:その54(1,624字)
1977年は、時代の転換点だった。このとき、社会は変わった。また、マンガも変わった。
では、社会は、そしてマンガは、どう変わったのか?
今回は、その変容に迫ってみたい。
1977年を象徴するものはなんだろう?
そう考えたときに、真っ先に思い浮かぶのが「スーパーカー」だ。1976年から1977年にかけて、日本は空前のスーパーカーブームだった。
スーパーカーがブームになったことは、オイルショックや高度経済成長の終わりといった暗い世相とはマッチしない。スーパーカーは、バブルの権化のような存在だ。それが、1980年に本格的なバブル経済が幕開けする前、すでに嚆矢として放たれていたのだ。
1970年代前半は、浅間山荘事件やオイルショック、それに暗い流行歌の影響で、どうしても「暗い時代」と見られがちだ。しかし、よくよく調べてみるとそんなことはなく、きわめて明るい気分も横溢している。特に、70年代後半から
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