日本には、いずれにしろこれから新しい「社会体制」が必要になるだろう。その際、急激な変革は上手くいかない。ムダな軋轢を生むだけだからだ。
そのため、そこでは緩慢な「なし崩し的変化」が求められる。「なし崩し」は普通悪い意味で使われるが、こと社会変革においては非常にポジティブな意味を持つ。

明治維新や敗戦後の社会変革も、なし崩し的に行われた部分が大きかった。だから上手くいったのだ。日本には、「なし崩し的な社会変革」が合っているということもある。だから今度の社会変革も、明治維新や敗戦と同じようになし崩し的に行われるだろう。

ただし、なし崩しとはいってもそこでいくらかの血が流れることは免れない。明治維新でも敗戦でも多くの血が流れ、多くの痛みが伴った。「痛みなくして前進なし」というが、それを体現するような変革がこの2つの事例だった。
そのことを、日本は再びくり返さなければならない。そういう局面にまです