ハックルベリーに会いに行く
マンガのはじまり:その23(1,776字)
近藤日出造というマンガ家がいた。今ではほとんど知る人のない存在だが、面白いことにこの人が、岡本一平を代表とする「戦前マンガ」と、手塚治虫を代表とする「戦後マンガ」をつなぐ、マンガ史上のマスターピースだ。
現在、多くの人がマンガを「手塚治虫が始めた」と思っている。それまで北澤楽天や岡本一平が営々と築き上げてきた戦前のマンガは、今ではすっかり忘却の彼方で、誰も読まないどころか存在さえなかったことにされている。
それは、手塚の存在やその影響があまりにも大きかったことや、彼のデビューが終戦直後でちょうど世の中が大きく変化していたことなどが相まって、そう見えているところも大きいだろう。しかしそれ以上に大きいのは、手塚のマンガが戦前のマンガとは大きく質を異にしていることだ。そこで、マンガの持っている遺伝子のようなものがガラリと入れ替わってしまったのだ。
もっとはっきりいうと、手塚がマンガを生まれ変わら
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。
コメント
コメントを書く面白い