ハックルベリーに会いに行く
お金にまつわる思考実験:その25(1,449字)
ぼくは一時期カメラの骨董的なレンズ(オールドレンズという)にハマったことがあって、取り分け「アンジェニュー(angenieux)」というフランスのメーカーの25mmのものが好きだった。これで動画を写すと、画面の周囲になんともいえない魅力的な「歪み」が発生し、それがまさにフランス映画みたいでかっこいいのだ。
アンジェニューはもともと映画撮影用のレンズメーカーだった。だから動画を撮るのに向いているということもある。それで近年、動画用のカメラが安価になり、利用者が増えたことで、俄然注目を浴びるようになったのだ。
面白いことに、「カメラ」というのは日進月歩で、古いものを使っている人はほとんどいない。ところが「レンズ」はそうではない。古いもの――それこそ半世紀以上前の骨董品でも、今でも十分使えるのだ。そのため、中古価格が下がらない。
その中で、製造数が
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