プライスにおけるピクチャレスクの3つの要素は「粗さ」「急激な変化」「不規則性」である。そして面白いことに、そんなプライスがピクチャレスクの代表として掲げているのが「廃墟」なのだ。

廃墟には、粗さと急激な変化と不規則性の3つがあるという。その意味では、原初のブラウンが創始したイギリス式庭園に戻ったともいえる。

ただ、もちろんプライスは先人たちのイギリス式庭園は必ずしも肯定していない。それにもかかわらず、「廃墟」を一つの理想としているのだ。なぜか?

ここで、「廃墟」におけるプライスが提唱したピクチャレスクの三要素を見ていきたい。
まず「粗さ」だが、これは廃墟の見た目そのままといえる。廃墟が持つ文字通りの粗さを基調とした佇まいこそが、「絵になる」というわけだ。

次に「急激な変化」だがこれは言葉だけだと少々分かりにくい。「急激な変化」は、もともと「緩やかな変化」の対立概念として掲げられた。そして「