ハックルベリーに会いに行く
マンガのはじまり:その30(1,689字)
1944年11月、空襲で「漫画」誌のオーナーである管生定祥の家が焼け、家族が皆死んでしまうという悲劇があった。これを機に「漫画」誌は休刊になる。さらに、翌1945年3月、今度は漫画家仲間たちが合宿していた借家も空襲で焼けてしまう。そうなると、近藤日出造にもすることがなくなり、すでに家族を疎開させていた自分の郷里である長野県上田市に戻った。
故郷に戻った近藤は、ただごろごろ寝て過ごしていたという。漫画を描けなくなったということもそうだが、戦争にも負けそうだということが肌感覚として実感できたため、何もする気が起きなかったからだ。それまでがむしゃらに働いてきた分、糸が切れてしまったように動けなくなった。
そんな近藤に、ほどなくして新たな展開が訪れる。それは徴兵である。なんと7月になって召集令状が来るのだ。
このとき、戦況はすでにどん詰まりだったが、当然のように全ての日本人はまだ一月後に「終戦」を
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