昨年から、出光興産が合併にからんで経営陣と創業者一族の間で揉めています。

 出光興産は、『海賊とよばれた男』のモデルとなった会社ですから、私も大いに気になります。創業者の出光佐三は絶対に外資とは提携しないという信念を持っていました。私は、出光佐三が大切にして生きた伝統を守ってほしいという気もありますが、現代は佐三が生きていた時代とは大きく異なりました。企業が生き残るためには、グローバル化もやむなしというのも、時代の趨勢かもしれません。

 私は出光興産とは何の関わりもない者ですが、この合併劇がどうなるのかは大変気になります。

 以下の一文は、昨年、出光興産が揺れている時、月刊誌「WILL」に書いたものです。