結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2017年3月28日 Vol.261
はじめに
おはようございます。結城浩です。
いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
今年に入ってから、家庭の事情により、 仕事のペースがかなり落ちてきていました。 いろいろと低空飛行を続けていましたが、 先週から少しずつ回復基調になってきました。
油断禁物ですけれど、ともかく感謝なことです。 応援もありがとうございます。
つい「遅れていた分を挽回しなくちゃ」と、 ペースを上げそうになりますが、 そこは落ち着く必要がありそうです。 急にがんばって体調を崩してはいけません。 ペースを上げるにしても、少しずつですね。
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新刊の話。
現在は『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』を執筆しています。 先週は、第1章から第5章までをぜんぶプリントアウトして、 朱入れをして、それをファイルに反映して…… といういつもの執筆作業を繰り返していました。
推敲が進むにつれて、ちょっとずつ読むスピードが速くなります。それは、 内容と文章の品質が上がり、読むときのひっかかりが少なくなるからです。
その一方で、品質が上がってくると気になることが現れます。 「何となく物足りないな」という気持ちです。 自分は繰り返し読んでいるので、内容が頭に入っています。 すると「もっと、こういうことも書きたいな」 という気持ちもわいてくるのです。
実はこれ、危険な徴候です。
概して、加筆すると品質は落ち、 削除すると品質は上がります。 ですから、加筆したくなったときには、 十分な検討が必要になるのです。
「わかりにくいから説明を加筆する」 というのは正しいようですが、 いつも正しいとは限りません。
加筆すると、局所的にはわかりやすくなります。 でも、読者への負担を増し、話の流れがはっきりしなくなり、 大局的にはわかりにくくなることが多いものです。
説明の分量をやたらと増やすより、 適切な例をポンと出すだけの方がいいこともあります。 無駄な部分を削って、 読者が集中すべきところを明確にした方がいいこともあるでしょう。
わかりやすくするための方法として、 加筆はもっとも安易といえば安易。 ですから、十分な注意が必要なのです。
加筆しすぎを防ぐための方法のひとつは、 章のページ数を把握することです。 考えていたページ数を大幅に超えるようなら、 何かまずいことが起きている証拠だからです。
先日も書きましたが、 結城はときどき、以下のスクリーンショットのようなグラフを使って、 他の巻とページ数を比較したり、章ごとのページ数を比べたりします。 ずいぶんふくれていましたが、 意識してページ削減した結果、だいぶバランスが良くなってきました。
ともかく、体調に留意しつつ、 今週もじっくり進みます!
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IFTTTの話。
複数のWebサービスを組み合わせる、 IFTTTという有名なサイトがあります。
◆IFTTT
https://ifttt.com
IFTTTというのは if this then that (もし、これなら、あれ) の略のようです。あるサービスで「これ」が起きたら、 別のサービスで「あれ」を実行する。 そのようなプロセスを象徴した名前ですね。
IFTTTのユーザは、 複数のサービスを組み合わせて「アプレット」を作ります (すでに存在するアプレットを使うこともできます)。
たとえば、結城が作った(利用した)のは
Instagramに画像を投稿すると、
(単なるリンクじゃなく)
画像付きでTwitterにツイートする
というアプレットです。
◆Tweet your Instagrams as native photos on Twitter - IFTTT
http://ift.tt/2o8y2mV
このアプレットでは、 InstagramとTwitterを組み合わせているわけですね。
InstagramにはTwitterに投稿する機能がもともとついているのですが、 この機能ではリンクだけがツイートされるので、 見栄えがあまりよくありません(これはInstagramがFacebookに買収されたからだ、 という話を聞きましたが、真偽は知りません)。
でも、上のアプレットを使えば、 Instagramに投稿した画像が添付された形でツイートされるのです。
◆InstagramからTwitterに画像を流したツイート例
このアプレットでは、自分で設定を変えて、 ツイートに自分の好きなハッシュタグを入れることもできます。 細かいカスタマイズができるのですね。
Instagramでシェアした投稿は、Twitterにツイートされますが、 別のアプレットを使ってEvernoteにも保存するように設定しました。
以下がイメージ図です。
◆InstagramからTwitterとEvernoteへ(イメージ図)
その他に、IFTTTで結城がよく使うのは、
・決まった曜日の決まった日時になると特定のアクションをする
・ある特定のツイートが流れたら、Evernoteに保存する
というものです。特にEvernoteへの保存は役に立ちます。
余談ですが、IFTTTには、
Facebookの友達が誕生日だったら、
自動的にハッピーバースデイを書き込む
というアプレットと、
友達からのハッピーバースデイを受け取ったら、
返事の書き込みをする
というアプレットの両方があります。
Facebook上でIFTTT同士が会話しているようすを想像して、 苦笑しました。
IFTTTはなかなか便利ですよ。
◆IFTTT
https://ifttt.com
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そんなところで、今回の結城メルマガを始めましょう。
どうぞ、ごゆっくりお読みください!
目次
- はじめに
- 習慣を切り換える方法 - 仕事の心がけ
- 勉強の機会としてのお仕事
- ある晴れた日の午後
- おわりに