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第186回 嘘と本当のあわいの怖い話のウラガワ(3)
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第186回 嘘と本当のあわいの怖い話のウラガワ(3)

2018-08-31 21:15

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第186回 嘘と本当のあわいの怖い話のウラガワ(3)


    ◆もくじ◆

    ・嘘と本当のあわいの怖い話のウラガワ(3)

    ・最近の志麻子さん 
     映画『銀魂2』のスピンオフドラマに出演 9/1から配信!
     角川ホラー文庫より『現代百物語 終焉』発売

     河崎実監督映画に出演予定
     TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
     「岩井志麻子のおんな欲」連載中
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    怪談の季節、夏ももう終わりが間近です。
    真実を知ることこそ怖い、などいろんなことを考えさせられるのも怖い話の魅力。
    岩井さんと同年代の恵子さんは、実は数十年も引きずっている暗い過去があると言う。
    地元の女子大学の付属高校に通っていた当時、学校にはいじめっ子が居た。
    恵子さんも一時期ターゲットにされたものの、やがて対象は東京から転校してきた子に移って……。

    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~16年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ
    2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ
    3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ
    4月「木の芽時な人達のウラガワ
    5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ
    6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ
    7月「ほんのり怖い人達のウラガワ
    8月「真夏なのに秋の予感な有名人たちのウラガワ
    9月「私が見たテレビの中の人のウラガワ
    10月「大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ
    11月「年下韓国人夫とのアジア旅のウラガワ
    12月「捨ててもいいじゃないかのウラガワ
    2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ
    2月「人はなかなか変わらないのウラガワ
    3月「きれいに卒業できない女たちのウラガワ
    4月「新たな出会いの不気味なウラガワ
    5月「良い季節でも人は病むウラガワ
    6月「『有名な男の女』だった二人のウラガワ
    7月「怪談の季節! ゾッとする実話なウラガワ


    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===

     夏は怪談の季節。子どもの頃から怖い話が大好きで、というより、子どもはみんな怖い話が好きだ。その理由を分析するのも楽しいが、好きだから好き、でもいいだろう。

     ただ、嘘だか本当だかわからない、嘘ではないけど本当でもない、もっと知りたい、でも知らなくてもいいのかも、真実を知ることこそが怖い、等々いろんなことを考えさせられるのも、怖い話の魅力だ。それが、今月のテーマだった。

                        ※

     同世代の恵子さんは陽気でしっかりしていて、公私ともに幸せそうな奥さんだが。実は二十年以上も引きずっている、暗い過去があるという。

    「ううん、もしかしたら四十年近く、と訂正しなきゃならないかも」

     今は東京に住んでいるが、恵子さんは西日本にあるわりと大きな街の生まれ育ちで、地元の女子大学付属に中学から通っていたという。

    「高校に上がったくらいから、それまであんまり縁のなかったいじめっ子に目をつけられたの。理由は思い出せないくらい、ささいなことだった。
     その泉って子はいじめが趣味で生き甲斐で、だから自分がその子に何かされたとか関係なく、順繰りに常に誰かをいじめていたから。
     おとなしくて目立たない子、勉強や運動が苦手な子、肥満してたりすごく小柄な子、そういう子だけでなく、有名大学に通うかっこいい彼氏がいる子、何かの大会で優勝した子、可愛いと先生に贔屓されてる子、そういうのもいじめてた。
     泉自身は勉強もスポーツも中くらい、特に家も金持ちじゃないし、顔もブサイクとまではいかないけど、全般的にごつくて顔が大きくて可愛くはない。
     泉本人はいじめられることはなかったけど、異様な気の強さと意地悪さがあって、なんかわかんないけどこの子に逆らったらヤバイ、怒らせたら厄介、と思わせたんです」

     さほど魅力も人望もないので、大勢の取り巻きを従えるということはできなかったものの、いつも二人か三人の子分みたいなのを引き連れてはいたそうだ。

    「私もいっときターゲットにされたけど、あまり長くは続かなかった。私をいじめてるとき、東京から転校してきた藤乃って子が目をつけられたから」

     藤乃は色白でほっそりして優雅な雰囲気があり、なんとなく白い猫を思わせた。音楽や読書の趣味、持ち物などがおしゃれっぽく、
    「やっぱり東京から来た子は違うね~、とみんなにいわれてたの。それが泉は気に食わなかったわけ。無視する、持ち物を隠す、聞こえよがしに取り巻きと悪口をいう、変な噂を流す、廊下で足を引っかける、あらゆる意地悪をしてた」

     藤乃は強くやり返すこともめそめそ泣くこともなく、ほとんど無視していた。いじめられた同士で恵子さんは近づいて仲良くなり、家を行き来するようにもなった。

    「藤乃ちゃんは、ほとんど泉の悪口もいわなかったのに。あるとき泉が、『藤乃のお兄ちゃんに痴漢された』なんてとんでもないことをいいふらし始めたの」
     
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