オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第195回 しみじみしんみりな出来事のウラガワ(3)
◆もくじ◆
・しみじみしんみりな出来事のウラガワ(3)
・最近の志麻子さん
河崎実監督映画「シャノワールの復讐」DVD発売
TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
「岩井志麻子のおんな欲」連載中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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岩井さんをなんだかしみじみさせてしまった、ある特殊な背景を持った人。
娘くらいの年ごろの由香里と出会ったのは、ソウルのとあるエステサロン。
彼女は駐在員夫人だという。
日本に帰国後、彼女から切羽詰まった連絡が来た。あるスポーツ新聞に、芸人との関係を撮られてしまったという。
岩井さんのアドバイスもあって、なんとか収まったと思いきや、意外な事実が……!?
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2014年11月~16年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ」
2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ」
3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ」
4月「木の芽時な人達のウラガワ」
5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ」
6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ」
7月「ほんのり怖い人達のウラガワ」
8月「真夏なのに秋の予感な有名人たちのウラガワ」
9月「私が見たテレビの中の人のウラガワ」
10月「大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ」
11月「年下韓国人夫とのアジア旅のウラガワ」
12月「捨ててもいいじゃないかのウラガワ」
2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ」
2月「人はなかなか変わらないのウラガワ」
3月「きれいに卒業できない女たちのウラガワ」
4月「新たな出会いの不気味なウラガワ」
5月「良い季節でも人は病むウラガワ」
6月「『有名な男の女』だった二人のウラガワ」
7月「怪談の季節! ゾッとする実話なウラガワ」
8月「嘘と本当のあわいの怖い話のウラガワ」
9月「大人になりきれない人達のウラガワ」
10月「ベトナム旅行チン道中のウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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私を妙に感傷的にしてしまうのは、十一月だ。私だけでなく、秋はそんな雰囲気にひたる季節なのだけれど、九月はまだギラギラした夏の続きのようだし、十月はスポーツにカルチャーにお祭りにと、明るいムードに包まれた行事が多い。
そんな私をしみじみさせる人達を書いてきた今月も、すっかり冬の気配だ。来月はしみじみではなく、ワクワクしたい。
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娘くらいの年頃の由香里と出会ったのは、ソウルのとあるエステサロンだった。
彼女はどこの会社かはいわなかったし私も聞かなかったが、旦那さんは大手の日系企業に勤める日本人だといった。つまり、由香里は駐在員夫人なのだった。
都内でも有数の高級住宅街で生まれ育ち、有名女子大を出て学生時代は女性誌の読者モデルもしていたという。もとの顔立ちはそこまで際立ってないが、化粧の巧みさと表情の豊かさで華やぐ雰囲気を醸し出し、小柄なことが親近感を振りまいていた。
本人が屈託なく自分を美人と思っていて、ギャルっぽい露出度の高い服装は人目を引いた。ノリもよくソツがなく、人生楽しくてしょうがないだろうなと、まぶしかった。
もし歳が近かったら、いろいろ嫉妬しただろう。あまりにも歳が離れているから、おばさん超えておじさんみたいな気分にさせられ、可愛いなぁと目を細めてしまったのだ。
私が日本に戻ってしばらくして、由香里から連絡があった。
「旦那が、日本の会社に戻ることになりました。もちろん私も一緒に帰国します」
さっそく再会し、ご飯を食べた。相変わらずギャルな格好で、人妻には見えない。
「東京は退屈で暇です~。旦那も仕事が忙しくて、すれ違いで」
そう口をとがらせた由香里は、芸人の追っかけをしている、若手イケメン芸人と合コンしまくっているといった。
「昔はすごく有名だったあの芸人、次の合コンに来るっていうから狙ってるんです」
なんていわれても、芸人にそんな詳しくない私は、がんばってねと返すしかなかった。
それからしばらく連絡はなかったが、私もさほど気にしてなかった。それが突然に、
「大変なことになりました。私、死ぬかもしれない」
などと、思い詰めた切羽詰まった電話がかかってきた。なんと、そこそこ売り上げのあるスポーツ新聞に、芸人との遊びを撮られてしまったという。
「来週発売だと、新聞社に聞かされました。もう、自殺するしかないです」
昔はかなり売れた年配の芸人と、駆け出しというのか売り出し中というのか、一般にはまだ知られていない若手芸人達と、とにかく何人も関係を持っていた美人カキタレがいる、といった記事らしい。