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第265回 まだ猶予があるのかもという気分のウラガワ(1)
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第265回 まだ猶予があるのかもという気分のウラガワ(1)

2020-11-30 21:15

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第265回 まだ猶予があるのかもという気分のウラガワ(1)

    ◆もくじ◆

    ・まだ猶予があるのかもという気分のウラガワ(1)

    ・最近の志麻子さん 
     【配信版】月刊オメ★コボシ 12/8(火)開催
     配信イベント「志麻子の部屋 R18+」12/18(金)開催
     TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中

     「岩井志麻子のおんな欲」連載中
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    あっという間に十二月が近づいている日々。
    子どもの頃から、十二月よりも十一月に、「あれができなかった」といったあせりや後悔を強く感じていたという岩井さん。
    まだなんとかなるかも、まだ猶予があるかも、という時期のほうが、追い込まれる。
    今月はそんな気になるエピソードをお届け。

    地方の温泉街にある演芸場で見た、あるベテラン女性歌手。
    彼女のことが強く印象に残った理由は……。

    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~19年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2020年1月「愛しい南国の怖い話のウラガワ
    2月「ひきつづき東南アジアの怖い話のウラガワ
    3月「どこか心残りの別れのウラガワ
    4月「未経験な世の中のあれこれのウラガワ
    5月「「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ
    6月「アマビエ的なものや人のウラガワ
    7月「怖い話をエンタメとして楽しみたいウラガワ
    8月「どこか楽しめる怖い話のウラガワ
    9月「エンタメとして味わいたい人の怖さのウラガワ
    10月「いい大人なのに未経験のウラガワ


    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===


     子どもの頃から、十二月よりも十一月に「今年もあれができなかった」といったあせりや後悔を強く感じていた。十二月になるともう、あきらめがつくというか、開き直れるというか。まだなんとかなるかも、という猶予や余裕が残る時期の方が、追い込まれる。

     という気分を、今月は書いてみる。例によって全編に渡り、いろいろと特定されないよう登場人物にも背景にも、ちょっとした脚色を加えてある。

                        ※

     仕事で、地方の温泉街にある古びた演芸場に行った。まったく地上波のテレビには出ない、あまり一般的には知られていない芸人や歌手や役者が舞台に立ち、三十人ほどでいっぱいになる座席の前で様々な芸を披露する。
     地元のお年寄りや、そういう演芸が好きな人達が来ていて、演者と観客の距離感も含め、全体的な雰囲気は温かく居心地よかった。

     観客と同じくらいの人数の、平均年齢もかなり高い演者達は、揺るぎない芸歴がある。
     無名でもさすがの歌唱力の歌手、八十をとうに超えているのに軽妙な司会や客との掛け合いをこなす座長、いい感じに毒を混ぜつつ観客を笑わせていじる、貫禄あるコメディアン。さすがだと感動させられる演者さんも、多かったのだが。

     あるベテラン女性歌手が、違った意味で強く印象に残った。別の方向から、いろいろ考えさせられた。彼女には後悔と希望、ともにあるのかと、要らん心配もしてしまった。

     先におことわりしておくが、私は彼女を貶めるつもりも、馬鹿にする気も毛頭ない。しかし、そう取られても仕方ないかもしれない。

     正式な芸名は伏せるが、メロディー、ミュージック、みたいな芸名を名乗っていた。ずばり自身の仕事を指しているが、私が職業ではなくペンネームを、ノベルとかストーリーとするような感じか。
     あなたが全体を代表するつもりかと、不遜にも思われるかもしれない。とことん匿名に隠れ、個性や個人を感じさせないようにしている、とも見られそうだ。

     仮に、メロディーさんとしておく。メロディーさんは見た目もトークも歌も、はっきりいって素人同然、まったくの一般人並みだった。

     自分で作詞作曲しているという歌も、凡庸極まりなかった。たとえば、こんな感じ。
     
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