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第330回 志麻子周辺のホラー特集なウラガワ(3)
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第330回 志麻子周辺のホラー特集なウラガワ(3)

2022-08-31 17:00

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~

    ◆もくじ◆

    ・志麻子周辺のホラー特集なウラガワ(3)

    ・最近の志麻子さん 
     『岡山女』新装版、単行本『煉獄蝶々』発売中
     『5分で読める! ぞぞぞっとする怖いはなし』に寄稿
     『週刊大衆』で「熟成肉女 召し上がれ」連載中
     「カクヨム」で田原総一朗・二次創作小説を発表
     『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より発売中

     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    やはり八月が来ると、ホラーのシーズン到来!とうれしくなってしまう。

    佐代子さんから聞いた話。幽霊も妖怪も怪奇現象も起きないけれど、ホラーな体験だった、追い詰められたという30年ほど前のエピソード。
    新聞投稿欄のある主婦の投稿が気になり、新聞社に意見を送ったところ、その千春という投稿者からファックスが届いた。
    新聞社の人が断りなく住所や本名などを教えていたようなのだ。


    ※担当者の不調により更新が長く滞り大変申し訳ございませんでした。
    順次記事公開いたします。

    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~20年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ
    2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ
    3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ
    4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ
    5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ
    6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ
    7月「ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ
    8月「夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ
    9月「歳を取れば大人になれるわけではないウラガワ
    10月「この歳になって初めて知ることもあるウラガワ
    11月「「どこで逸れたんだろう」と考えてしまうウラガワ
    12月「人生そのものがお楽しみ会のウラガワ
    2022年1月「まだ楽観視できない未来を思うウラガワ
    2月「記憶が混乱するアレコレのウラガワ
    3月「どうしても心残りなウラガワ
    4月「心残りな事件の男たちのウラガワ
    5月「好きと心地よいは違う、温度差を感じるウラガワ
    6月「ドライなのかウェットなのかわからないウラガワ
    7月「「もう」と「まだ」の間のあれこれのウラガワ


    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===
     
     テレビから心霊番組、オカルト関連の特集がなくなったのは、霊感商法やカルト宗教のせいだといわれていて、まぁそれはそうなんだろうと納得もできるが。八月になってもそれらがないと、なんだかやっぱり寂しい。

     今はネットで、いつだって自分の好きなホラーが楽しめる時代とはいえ、やっぱり私は八月が来るとシーズン到来!とうれしくなってしまう、というのを書いてきた今月。

                        ※

    「もう三十年くらい昔のことなんですが、いまだにこの季節になると、私もホラーな体験したなぁと思い出して、ほんのり寒くなるんですよ。
     幽霊も妖怪も出てこないし、怪奇現象も起きない。でも、追い詰められましたね」

     佐代子さんは関東の某県に住んで孫もいる、明朗快活な奥さんだ。そんな佐代子さんは三十年くらい昔、結婚したばかりの頃は中国地方の田舎町にいた。

     パソコンも携帯もない時代、趣味と実益を兼ねていろんな雑誌、ラジオ番組にハガキを送っていた。採用されるとテレフォンカードや図書券、ときには現金書留も来る。

     そんな日々の中、ふと新聞の投稿欄に目が留まった。佐代子さんは、新聞にはあまり投稿したことがなかった。もっぱらウケ狙いのエッチな話や、周りの人の失敗談などをおもしろおかしく書くのが得意で、さほど時事問題や政治経済には興味がなかったのだ。

     しかし、その主婦の投稿は何故か妙に気になった。というより、気に障った。

    「投稿の内容そのものは、もう忘れちゃってるんです。でも同い年くらいの主婦のそれ、なんかすごく被害者意識が強いなと感じたので、率直にそう書いて送りました。

     仮に、千春さんとしておきます。千春さんのその投稿はけっこうな反響があったようで、私も含め何人かの意見が載りました。私は匿名希望にしておいたんですが、しばらくして千春さんがうちにファックスしてきたんです。
    『いろんな意見をいただいたが、佐代子さんのが最も納得できた。あなたとは気も合いそうなので、手紙のやり取りをしたい。できれば会いたい』

     今じゃ考えられないけど、当時は個人情報ガバガバで、新聞社の人が私に断りなく千春さんに住所と本名を教えてたんですよ。なんか怖いと感じたんで、当時はパソコンじゃなくワープロで、筆跡がわからないようにしてこんな返事を送信しました。

     
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