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Y談の部屋 Vol.3 「WBCとヨダレ?」
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Y談の部屋 Vol.3 「WBCとヨダレ?」

2013-06-10 00:23

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    「WBCとヨダレ?」

    柳沢 今回のWBCを見てて、国籍とか人種の問題ってこれからどうなってくのかなと思ったんだけど。オランダ代表は、ほとんどがキュラソー島(カリブ海のオランダ領)の出身でしょ。

    K-1やってる時に、ホーストはスリナム(南米にある元オランダ領)、ジマーマンはキュラソー島、バダ・ハリはモロッコとか、出身地で分けたんだよね。そうしないと国籍としてはみんなオランダになっちゃうから。

    斉藤 WBCのイタリア代表もほとんどがイタリア系のアメリカ人じゃないの? ブラジル代表も名前を見ると半分以上が日系人だったよね。

    柳沢 そうなるとどこにアイデンティティーがあるのか。生まれたり育ったりした場所なのか、人種なのか。

    そこらへんがこれからグチャグチャになって、「国を背負って」という価値観が多様化していくよね。国別対抗の世界大会ってどうなっていくのか?

    山口 グローバル化で人の移動が激しくなれば、これからどんどん混血化が進んでいくんだろうしね。

    柳沢 混血化もそうだし、いまは猫ひろしがカンボジア人になっちゃうような時代だよ(笑)。極論すれば、日本ってそういう価値観が世界でいちばん遅れてる先進国でしょ。

    俺らがこの年になってそういう西洋的な国家観や宗教観を知らなすぎる。これからどうしていけばいいの? って話だよね。

    山口 池上彰さんに教えてもらわないと、もはや生きていけない(笑)。

    柳沢 そう言えば昨日、この年になって初めて知ったんだけど(笑)。ユダヤ人って黒人がいっぱいいるんだってね。ユダヤ人というと白人しかいないイメージだったけど。

    斉藤 アメリカを裏で牛耳ってるユダヤ人なんて、白人の中の白人というイメージだよね。

    柳沢 だよね。

    斉藤 黒人のユダヤ人はどこにいるの?

    柳沢 世界中にいっぱいいるみたいよ。

    斉藤 もともとユダヤ人がいた場所って、エジプトのちょっと北だから、まあ、黒人がいても不思議じゃないのか。

    柳沢 ユダヤ教徒のことを「ユダヤ人」と呼ぶっていう意味では、人種血族の問題だけじゃなく黒人のユダヤ人がいても不思議じゃないし。WBCを見てて、そういうことからもグローバルということを考えちゃったね。

    山口 グローバルと言えば、『伽藍とバザール』という本があるんだけど。この“伽藍とバザール”という言葉というか概念が最近、気になっててね。まぁ、ひと言でいうと…………ググってくれる?

    斉藤 わかんないのかよ!

    山口 難しいんだよ、これ(笑)。もともとオープンソースのソフト開発の論文らしいんだけど。伽藍方式というのは、あたかも大聖堂の建築を行うかのごとくの大がかりな開発方式で、従来の企業的な作り方。

    対してバザール方式というのは、知らない人同士がまさにバザーで売買や交換を行うように、アイディアや技術を持ち寄って作るやり方。

    斉藤 WindowsとLinuxみたいな話ね。

    山口 そう……だと思う(笑)。

    斉藤 またわかんないのかよ!

    山口  待て待て。“伽藍“というのは、僧侶が集まり修行する清浄な場所という意味でね、選ばれた開発者たちが開発過程を表に出さないのが伽藍方式。

    でも、いまのネット社会は開発過程もオープンにしながら作るバザール方式が主流になってきていると。日本がガラパゴス化したみたいなことも、“伽藍とバザール”という概念に集約されてるみたいな話。

    柳沢 伽藍方式じゃもうダメだって話?

    山口 伽藍方式よりもバザール方式が主流になってるという風潮がクローズアップされてるということかな。それはソフトウェアとかIT関係の話だけじゃなくて、どんな現象にも当てはまってる。

    要は、自分の村を守るとか、自分の国を守るとか、そういう発想だけではダメだという話。桜宮高校の体罰の問題に関して的確な意見を言ってた覚えがある橘玲という人も、『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』っていう本で、「伽藍を捨ててバザールに向かえ。恐竜の尻尾のなかに頭を探せ」って言ってる。

    そこだけ見れば、わりと腑に落ちるアジり方をしてるけどね。読んでないけど。

    斉藤 だから読んでから言えよ! で、それがどうしたの?

    山口 「文化の同時代中心主義、自民族中心主義、ひいては自己中心主義的な固定観念を打破しないとダメだ」ということですよ。これは『ヒトはなぜペットを食べないか』という全然、関係ない本の一節なんだけど。

    斉藤 なんで関係ない本から一節を持ってくるんだよ(笑)。

    柳沢 しかも、なんて本を読んでるんだよ(笑)。

    山口 イケダハヤト君もブログで紹介してたけど、この本面白そうだよ。イケダハヤト君とは読んでる本とか読みたい本の趣向がなんか似てるんだよなぁ。

    でね、昔から人間は、木の実は食べる、草は食べる、動物は食べる、魚は食べる、なんでも食べる雑食主義で、昔は犬や猫も食いまくってた。なのになぜペットになった途端にそれを食べなくなったかということを、人類学的、文化史的に探求していく本なんだけど。

    なんで丸々と太ったペットを見てヨダレが垂れないのか? っていう命題は面白くない? 普通に答えると「ペットに対して愛情があるから」だよね。

    でも、愛情と食欲と性欲というのは直結していて、オルガスムスの時に、「あ〜、イク、イク!」って言いながら相手に噛みついたりとかするでしょ。

    斉藤 黙って聞いてれば、下ネタかよ!

    山口 待て待て。赤ちゃんを見て「食べちゃいたいくらいかわいい」って言ったりすることからも、愛情と食欲と性欲というのは非常に密接に結びついてると。

    だから、ペットがかわいいから食べないという理屈は成り立たないという前提から話が進んで行くわけ。

    柳沢 でもさ、ペットじゃないけど、牛を見てもヨダレは垂れないよ? 豚を見たって垂れない(笑)。

    牛や豚そのものを見ても食欲には直結しないでしょ。肉になって出てきて初めてヨダレが出るんであって。

    山口 …………確かにそうだな。

    柴田 ちゃんちゃん! って、話が終わっちゃいましたよ。

    山口 なんだおまえ! 秋田出身のくせに話を勝手に終わらせやがって。

    柴田 あ、秋田は関係ないっしょ。で、その本の結論はどういう話なんですか?

    山口 わかんない。まだ、序章読んで、あとはパラパラと斜め読みしかしてないから。本文の中には人間の食の奇想天外さから始まって、近親相姦とか獣姦の話も出てきてたから、じつに興味深いけどね。

    斉藤 結局、下ネタかよ(笑)。

    柳沢 山口日昇だけに(笑)。

    山口 ということで今回はこれでいい?

    柳沢 タイトルは「WBCとヨダレ?」ね。はい、できたと(笑)。

    斉藤 こらこら(笑)。

    柳沢 『Tany’s Labo』の平(直行)ちゃんの話が面白いんだけど。平ちゃんは最近よく江戸時代の話をしててね。それを聞いてると、いまいろんな価値観が江戸時代に戻ってるというか、社会の問題意識の揺り戻しがきてるんじゃないかという気がしてて。

    山口 えーどえーど!

    柳沢 (無視して)武道とか武術の話で言うと、明治以降の考え方というのは要はグレイシーなわけ。グレイシーの思想というのは明治の思想。

    その明治の思想というのは何かと言ったら、一対一でよーいどんで正々堂々と闘う。果たし合い的な価値観。だけど、江戸時代以前というのは「戦(いくさ)」つまり団体戦が闘いの基本なんだよね。

    で、戦争という団体戦の中の日本人を考えた時に出てくる精神というのが「自己犠牲」。パブリックの中の自己犠牲って江戸時代以前の日本に最も表出してる価値観だよね。だから団体戦になると日本はものすごく力を発揮する。

    バントすることを“犠打”って言うけど、まさにこれを平気でできるのが日本人。でも、海外にはそういう価値観はないから。欧米は騎士道やキリストこそ自己犠牲だっていうだろうけど(笑)。

    山口 ふんふん。

    柳沢 例えば、中国がPM2.5を出して騒がれてるけど、大気汚染をどうやって止めるか、国外に拡散させないかは一国だけの問題ではないじゃない。

    世界の原発の話にしても、モンゴルに中間貯蔵施設を作るとか。全世界が一体になって対処していく問題。そこで自己犠牲という価値観が出てこざるを得ない。

    まあ、自己犠牲を「無償の愛」的なキリスト教チックに捉えちゃうと「ええ〜っ!?」っていう感じだけど、日本的な表現で言えば「命に代えても」みたいな価値観って、ある意味では「等価交換」なんだよね、何かを差し出す人にとっては。

    いままで国際間の問題って経済的な解決か軍事的な解決しかなくて、いわゆる等価交換のルールって国際常識があったわけでしょ。でもその常識が崩れて、おそらくこれからはいろんな国が自己犠牲の大事さに気付き出し、自己犠牲に価値を見いだすようになっていくんだろうなあと。まあ、WBCから考えたのはそういうことですよ(笑)。

    斉藤 でもさ、アメリカ人とか中国人は、100年たっても自己犠牲とか無理でしょ。

    柳沢 無理だろうなあ。でも、これから中国がどんどん発展していく中で、自己犠牲を払わなきゃいけない人も出てくるよね。

    考えてみれば、一人っ子政策なんて、自己犠牲と言えば多大な自己犠牲だし。これから中国人もみんなもっと自己犠牲を払わざるを得なくなっていくでしょ。

    斉藤 それはかなり先の話な気がするけど。

    柳沢 確かに国が豊かになっていく過程で一旦、個人主義になって。背負うもの、守るものが多くなった時に自己犠牲という話が出てくるんだと思うんだよね。

    イケダハヤトくんなんかの話を聞いてると、いまの若い人たちは一旦、個人主義になって、そこから繋がりも大事という価値観も出てきてるけど、国を背負うまでは嫌だから、背負うのは家族ぐらいにしておきましょうという感じでしょ。競争するとしても家族対抗歌合戦ぐらいのレベルなのかなあと(笑)。

    山口 WBCならぬKTU(笑)。

    柳沢 家族以上の大きな競争になると、「いやいや、それはちょっと……」みたいになっちゃう。それは多分、本能的に自己犠牲を知ってるからじゃないかと思うんだけどね。

    震災でみんな変わったっていうけど、日本人の自己犠牲型の価値観をみんな思い出しちゃっただけじゃないかと思うんだけどね。

    江戸時代の話で言えばもう一つ。これも平ちゃんなんだけど。突然、「足るを知る」と言い出して。昔の日本人は「足るを知る」ということがわかっていて。それが江戸時代の良さだと。それを聞いて、またサダハルンバがさ、「いやあ、平ちゃん、素晴らしい!」って(笑)。

    山口 足るを知らない男が大喜び。このお調子者!(笑)。

    柳沢 俺が若い人たちの話を聞いてて感じた違和感って、この言葉がすべてだよね。

    山口 ああ、それはすごくよくわかる。

    柳沢 いまの若い人たちが「足るを知る」ということを実践してる価値観に対する違和感ね。「足るを知る」とは何かって言ったら、まさに強者論だよね。

    山口 強者論?

    柳沢 要は、権力者が庶民に刷り込むステマというかさ(笑)。

    山口 ああ、もともとは上からの「足るを知れ!」ってことね。

    柳沢 まあハッキリそう言うわけじゃないだろうけど、弱者が「足るを知る」という価値観を持ってれば強者は安泰だからね。

    「論語」でも「老荘思想」にしても、為政者がそれを取り入れるのは全部、強者論。支配者が安泰になるために庶民に根付かせる価値観。

    徳川家康がやったこともまさにそれでしょ。町人は「足るを知る」のが当たり前だと。それが美徳なんだと。そこからはみ出さない精神性や価値観を植えつけた強者論。「足るを知る」なんてまさにその最たる発想じゃない?

    斉藤 でもいまは権力者が仕掛けたわけでもなんでもなくて、若い人たち弱者の方が勝手に「足るを知る」になってくれてると。

    柳沢 そうそう。権力者とか既得権益を持ってる人たちにとってはこんなに楽なことはない。

    でも、そんなことを知ってか知らずか、若い人たちは強者の価値観を否定して、自ら「足るを知る」という清貧の思想に価値を見い出している。

    山口 まあ、我々は「足るを知らない」からね(笑)。

    斉藤 君のような上の世代がだらしないから、下の世代はお行儀良くなっちゃうんですよ。

    山口 自然発生的にお行儀良く、みんなが心底「足るを知る」なら、居心地のいいコミュニティーかもしれないけどね。

    柳沢 毒蝮さんの「構う、構われる」の話もそうなんだけど、気持ちよく生きていくために長屋から飛び出したくないのと一緒で、内向きっていう傾向も「足るを知る」思想のなごりだよね。

    「足るを知る」はずっと日本人の中にあって、それがいまの時代の若い人たちに合っちゃったんだなあ。

    山口 ヒトの本能的に、これからその思考だけで収まるかどうかはわかんないけど、「足るを知る」というキーワードは興味深いね。柴田、カキフライは何をかける?

    柴田 なんですか、突然? そ、ソースっすかね。

    山口 ダメだね、おまえは。秋田だけに。

    柴田 あ、秋田は関係ないっしょ。

    山口 この流れでの答えは、タルタルソースだろ! 足るは足る! タルタルソース! なーんつってな。

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