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名無しさん のコメント

小林さんの3p止めを不可解に思っていたので、この解説を読んで本当にスッキリしました。
何故ラスなのにアガリに向かわないのかー
という疑問をずっと抱えていたのです。

他家への警戒+勝又さんの連荘も期待していたのですね。

素晴らしい解説、ありがとうございます。
No.1
73ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
もしもここで死ぬかもしれないと思ったら―― もしもここで放銃したら死んでしまうとか もしもここでアガれなかったら死んでしまうとか もしもここで勝利条件を満たせなかったら死んでしまうとか そのような条件下で麻雀を打っていたとしたら、あなたは何を考えるでしょうか? 消えない負債、やり直せない過去 フリー雀荘で打つ麻雀、ネット麻雀で打つ麻雀とは違って 予め打つ回数も、対戦相手も、勝利条件も決まっている競技麻雀では もしもあの時、放銃を回避できたら―― 予選を通過できたかもしれないのに・・ もしもあの時、アガリを拾えていたら―― 昇級できたかもしれないのに・・ もしもあの半荘、トップが獲れていたら―― 残留できたかもしれないのに・・ もしもあの半荘、3着で粘れていたら――  タイトルが獲れたかもしれないのに・・ このチャンスを活かせなければ、次のチャンスは10年後―― いや、もしかしたら一生やってこないかも・・・ なんてこともザラにある。 たったひとつの分岐で、選択を違えてしまっただけでも その後の世界線が大きく変わったとしても、全く不思議ではないのです。 ※  参照牌譜 約4万点差のトップ目勝又がオーラスの親番。 2着目の瀬戸熊は、初手から孤立の役牌を連打していく。 絶対に絶対に死守したいはずの2着目で 最悪ラス落ちも想定されるような僅差の点数状況で 役牌重なりの裏目は死ぬほど痛い。 にもかかわらず、ここで役牌を連打してきということは―― ・役牌に頼らずとも他の手役がハッキリと見えている ・ある程度牌姿が整っていて、門前テンパイの手応えがある のいづれかということ。これは同卓者の共通認識であることは間違いない。 瀬戸熊は を払い、 をカンチャンで仕掛け打 とした。 ・役牌に頼らずとも他の手役がハッキリと見えている ・ある程度牌姿が整っていて、門前テンパイの手応えがある さらに 副露率13.33% (11月20日現在) Mリーガー21人の中で、最も仕掛けの少ないプレイヤーである瀬戸熊の副露だ。 ※参照記事  週刊アベマズ24/80 この点数状況、この巡目とはいえ もう瀬戸熊にテンパイが入っていると考えても、全く不思議ではないだろう。 白鳥の目からは役牌が全て見えていた。 よりも の カンチャンを残すということは、 に関連する手役絡みの可能性が高い。 序盤の切り出しからチャンタである可能性は考えにくい だとしたら123の三色か―― あるいはソーズの一通か―― が一通に当たるとしたら   の形から をチー そのパターンだと、マンズの 払いは若干不自然に見えるだろうか   の形から をチー こちらのパターンのほうが比較的自然だろう。 よって を留め、危険度の若干低い を勝負しイーシャンテンを維持する。 白鳥はこの時、僅かではあるが打牌に力が入った。 当然のことながら瀬戸熊のテンパイ気配は、対戦経験上十分に察知しているのだ。 ラス目の小林も を引くと一瞬手を止めた。 小林もまたテンパイ気配を察知し、瀬戸熊の手役を推考しているのだ。 瀬戸熊が をチーして打った牌は だった。 は   こんな形で当たるかもしれない・・・ しかしながら他の危険牌候補も数多く、 程度の放銃リスクなら 自分のアガリ確率を最大限に高めるリターンのほうが上回るであろう この時はそう判断して を勝負した。 機械仕掛けの心を持つゆえに、微塵も力感を感じさせないフォームで打牌した・・・ 10巡目に を勝負した時は、 は場に5枚切れだった。 残り3枚とはいえ、景色的にかなり手応えのある受けだったことであろう。 しかしこの時点で は7枚切れ、残りの1枚は確実に 山に残ってる感触はあるとはいえ、アガリまではかなり厳しくなってしまった。 小林はここで再び瀬戸熊の手役を推考する。以下、 コバゴーの脳内会話 は・・・3枚切れ、惜しい(゜ー゜) も・・・3枚切れ、惜しい(゜ー゜)  ダメだ、123の3色は否定できない。 いや、まてよ・・・ペン 待ちならば、あそこまで を引っ張っるものだろうか?    チー でもこんなパターンとか・・・・    チー あるいは、こんなパターンもあるかもしれないなぁ・・・ (゜ー゜) 小考の末、自分のリターンが大幅に下がったことにより の放銃リスクに見合わなくなったと判断し、ここで迂回を選択した。 Q・ラス目なのに押さないの? いや、勝又はこの点数状況なら 最後まで連荘を狙い、テンパイを組みに来る可能性が高い。 ならば 次の局がある可能性にかけて 、ここはリスクを負わず 終局まで粘りこんで、形式テンパイを狙ったほうが を勝負するよりもマシであろう。 もしもあの時、放銃を回避していたら――  もしもあの時、アガリを拾えていたら――  もしもあの半荘、トップが獲れていたら――  もしもあの半荘、3着で粘れていたら―― 競技麻雀歴が長いプレイヤーなら 誰しもこのような後悔をしたことがあるはずです。 この大事な局面において、ノータイムで を放銃して しまう人は、きっとそういった経験が少ないのだと思います。 当たり牌を読んで止めているわけではない 大事なのはその選択に至るまでの過程であり 相手の手牌を推考する、今後の展開を予想しようとする努力。 称賛すべきは当たり牌を止めた結果ではなく この判断に至るまで、幾重にも積み重ねられた思考のプロセスであると考えます。 もしもここで死ぬかもしれないと思ったら―― 死ぬかもしれない―― というのは大げさな表現ですが この一打、この選択が、最終的な勝敗に影響を与えるかもしれないと考えたら―― それでも放銃してしまうかもしれないけれど 止めの選択、迂回の判断にも共感できるのではないでしょうか?
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このブログマガジンは、オンラインネット麻雀「天鳳」の最高峰である「天鳳位」を、現役のAリーガープロ雀士である私こと木原浩一が、本気で目指し日々奮闘する様を描いた自戦記、「天鳳」の実戦譜を使った戦術論、麻雀に関するコラム&エッセイ等を、思いつくままに徒然と更新していくものです。