新作『トゥームレイダー』に多大なる影響を与えたホラー映画とは......?


映画を観た方は共感できますかな? 

けっこう前からアートワークが公開されている『トゥームレイダー』ですが、主人公のララ・クロフトは、傷だらけだったり血が滲んでいたり、嵐に巻き込まれた直後みたいな汚れ方をして描かれていますよね。

『アンチャーテッド』然り、最近のゲームは映画のようなリアリティーを追求する傾向があるようで、キメのシーンになると、完璧な構図でカメラが寄ったり、超絶にデンジャラスでカッコ良いアクション・シーンなどを魅せつける演出が多々あります。

それに、たとえばララが雨の中を駆け回ったりしても、真後ろから透明人間になったカメラマンが、主人公を追っているかのような映像をお届けしてくれるのは、まるで映画を観ているようで自然にゲームの世界に没入できて良いですよね。

さてこういった作品は、同じく冒険活劇モノの『インディー・ジョーンズ』から影響を受けて作られた『アンチャーテッド』という例もあるのですが...『トゥームレイダー』も、とある映画から影響を受けているようです。

ソレも、冒険活劇よりもっとダークなホラー映画から...デス。その映画とは何なのでしょうか? 以下へ続きます。
 


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はい、それは2005年に公開された、ニール・マーシャル監督による作品『ディセント』という映画。


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これから続く文章では、『トゥームレイダー』と『ディセント』両方のネタバレが若干含まれるかと思いますが、あらすじ程度にチョットだけなので、気にならない方は読み進めて下さい。

映画『ディセント』のストーリーは、冒険旅行中の6人の女性が未開の洞窟へ入りこみ、事故で塞がれてしまった入口に代わり、違う出口を探す途中、未知の怪物たちと戦うことになるというお話です。

『トゥームレイダー』と似ている点はイロイロありますが、女性による洞窟探検、途中で負うキズや怪我、複数の男性的なキャラクターが主人公に恐怖をもたらすといったトコロでしょうか。しかし女性(達)は、そうしたトラブルを克服していき、冒険や敵に強く立ち向かっていく姿が、何より似ているのではないかと思われます。

このゲームを開発しているクリスタル・ダイナミックス社が、『ディセント』に影響されているという確実な証拠はありませんし、そこの社長であるダレル・ギャラガー氏は『ダイ・ハード』に焦点を絞っているとGameSpotが報じていたくらいではありますが...。

『トゥームレイダー』では、明らかにふたつのカットが『ディセント』のオマージュではないか? と思わせる部分があります。もうゼッタイに、クリスタル・ダイナミックス社の誰かが『ディセント』のファンでしょ! ってな位にです。


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ひとつは、ゲームの始め部分に登場する、大木の根元の中から出てくるシーン。ファンの間で色んな物議をかもしたという、『ディセント』のエンディングに似ています。ゲームショウ「E3」でデビューを飾った映像を観た人は、『トゥームレイダー』は『ディセント』のような内容になるのだろうか? と感じたくらい似ているんですって。

そしてゲーム中盤に差し掛かると、もうひとつ違ったシーンが登場します。ソレが、『ディセント』で最も有名で印象深いこのカット。


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オリジナルの『ディセント』では、これまで恐怖で本能のまま取り乱していたサラが、血の池に浸かるコトを境に、生き残ることに重きを置いた人物へと生まれ変わる重要なシーンがコレなんです。


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一方『トゥームレイダー』でもホラ。血の池から顔半分が出てるなんて、他ではそうそう観られないイメージですよね。ゲームではこの直後、ララが暗闇に消えて行き、カノジョと友だちに酷い仕打ちをした男性たちに対して、非情な復讐を果たすことになります。


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そしてコチラは『ディセント2』のポスターだそうですが、洞窟めいた背景といい、手に持った松明&ピッケルといい、タンクトップを着て汚れたファッションといい、とてつもなく『トゥームレイダー』と似ていますよね。


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予算の大きいメジャーなゲーム・タイトルでありながらも、ダークでハードコアな映画からインスパイアーされているなんて、とても興味深いコトですよね。もしも『ディセント』が公開された2005年に、「将来作られる『トゥームレイダー』は、『インディー・ジョーンズ』にも『ロマンシング・ストーン』にも影響を受けるのではなく、ホラー映画の『ディセント』から影響を受けるだろう」...なんて言われても、ダレひとりとして信じなかったであろうと思います。

結果論になりますが、リリースから48時間で100万枚を売ったという『トゥームレイダー』を、ダークで陰鬱としたテイストで作ったのは、コマーシャル的にも成功だったと言えるかと思います。

たとえホラー映画がメインストリームとして台頭できなくとも、『トゥームレイダー』がホラーゲームでなくっても、暗くてクリーンではないイメージの作品でも、こういうテイストでも市場で成功できるんだという良い例が出来たのではないでしょうか? 

ゲーム作品の映画的演出に映画作品のゲーム的演出と、エンターテイメントとしてふたつの境界線が薄い昨今ですが、いずれにせよ影響を受ける作品は、興味深いモノであればあるほど良さそうですね。


The Hardcore Horror Flick That Turns Up In Tomb Raider [Kotaku]

(岡本玄介)

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RSS情報:http://www.kotaku.jp/2013/03/tom_raider_descent.html