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マンガや小説のネタに困っているあなたへ。最高に面白いSFストーリーを作るための10のアイディア
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マンガや小説のネタに困っているあなたへ。最高に面白いSFストーリーを作るための10のアイディア

2012-11-15 00:00
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    フィクションを書くのが仕事の人も趣味の人も、一番苦労するのは面白いネタ(題材)を探すことではないでしょうか?

    昔、SF作家のシオドア・スタージョン(『人間以上』ほか)はどうしようもないスランプに陥り、知人でやはりSF作家のロバート・A・ハインラインに苦しみを打ち明ける手紙を書きました。するとハインラインは、自分が普段不思議に思っていることなどを長々と書いてよこし、スタージョンはその返信を読んだだけで26もの小説のアイディアを思いつくいたそうです。

    でもそんな友達いない! というあなたにオススメなのが、本日ご紹介する10のアイディア。いわゆる「正統派」SF小説のためのアイディアですが、SFに限らずあらゆるフィクション作品のヒントになりそう

    自分の奥底にあるネタをもっと探してみたくなる、詳細は以下で。
     

     
    1.答えの出ていない大きな謎の話

    たとえば「なぜ地球外知的生命体とのコンタクトが未だないのか?」、「宇宙の果てはどうなっているのか?」、「なぜ引力はこの程度の強さなのか?」などなど。疑問が大きければ大きいほど、そして解くのが難しいほど、書いた話が来週すぐに否定されるなんてことはありません。

    宇宙の大きな謎についてあなた独自のちょっと変わった答えを思いついたら、そこから遡るように物語を肉付けしていきます。難しいのは、壮大で大胆な話を描きつつも、ちょっとした人間味のある話にすること。かといって、「宇宙の真理を解き明かしたら、ギクシャクした父親との関係に光が見えた」みたいなパターンはやめましょう。

    大きく夢のあるテーマで、上手く書かれたホロリとする話はみんな大好きです。


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    2.画期的な新発明が悲劇を生む話

    まったく新しい科学的大発明を想像するのはきっと簡単なはず。たとえば劇的な延命薬が開発されたとか、確実な睡眠学習が可能になった、なんて話なら、そこからどんな騒動が巻き起こるのかもいろいろ想像できそうです。

    でもただそれだけでなく、その画期的な科学技術のせいであなたの人生が大きく狂う状況を想像してみてください。あなたに起こりうる最悪の事態です。そしてその話をフィクションのキャラクターにあてはめて書いてみましょう。

    新しい発明で人生が狂うのも、ありがちな展開でそうなるのではなく、何か個人的でちょっと変な理由だったりするともっと面白いかも。素晴らしい発明にみんな大喜びしてめでたしめでたしより、何か苦労や困難があると読者は興味をかきたてられるものです。


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    3.未来について不安に感じることを思いっきり極端に描いた話

    いつか自分が年老いた時、そばに居てくれる人もなく独りぼっちになる。または順調に築いたキャリアがダメになって生活に困る、なんて不安はありませんか? 

    たとえばそんな個人的な不安を極端に大きく、宇宙規模...とは言わなくとも、世界規模の話にしてしまうのです。自分が持つ不安を足がかりに、世界全体で何かが大きく間違った方向に動いていく物語が生まれるかもしれません(または個人的でももっとSF寄りなアプローチなら、テレパシー能力が衰えていく苦悩を描いたロバート・シルヴァーバーグの『内死』のような話とか。)

    不安をきっかけに生まれてくるのが悲しい話でなくても、または実際その不安とは関係ない話になってもいいのです。心の底にある恐れから、個人的でありつつも普遍的な何かが見えてくる。大事なのはそこです。


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    4.科学ではなく、社会学、哲学、神学をテーマにした話

    アーサー・C・クラークの作品のように、サイエンス・フィクションとは私たちが持つ根源的な疑問についての答えを探求しながら、宇宙的で壮大な世界を描くことができるものです。

    私たちは誰なのか、どこから来たのか、誰が私たちを創ったのか。なぜ時間は一方向にしか流れないのか。地球の知的生命体はなぜ一種しかいないのか。無の空間は存在するのか、また空間はモノとして捉えられるのか。何をもって人は善人とされるのか...。

    近年、多くの哲学者が以前は物理学のものとされた領域に踏み出しています。なぜなら、物理学は根源的な疑問に関わる学問だから。というわけで、あなたの書く物語も表面的な科学を離れて、真理についての大いなる疑問をテーマにしてもいいはずです。

    もしかしたらその結果、現実的な科学にこだわるよりもっと純粋な意味でのサイエンス・フィクションが出来上がるかもしれませんよ。


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    5.ワケありの主人公が絶対に許せないような行為をしてしまう話

    人は誰でも、何かすごく恐ろしいことを自分がしてしまう様子を想像することがあります。真面目な性格の人なら、自分が同僚の顔を刺すようなシーンが頭に浮かんだだけでショックなはず。でも何にしても、そんな寒気がするような想像をしてしまうのは自然な現象です。

    ではそんな想像の1シーンを選んで、それを物語の主人公が行うと考えてみましょう。そしてそんなことをする主人公に、同情すべき止むに止まれぬ事情があるとしたらそれは一体何でしょう(その行為自体が最終的なストーリーに出てこなくても、キャラクターを作るきっかけにはなります)。

    主人公には何かサイエンス・フィクション的な理由があって、その行為に及ぶのかもしれません。正義のためかもしれません。ここで、理路整然とした説得力のある理由を作るのはほどほどにすること。あなた自身の感情を揺さぶるようなポイントが見えてきたら、そこをとことん追求してみるのもいいです。

    あなたが自分自身を恐ろしいと思うのはどんなときか、探ってみてください。


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    6.現実にはやりたくてもできないことをする話

    夢に描いているすべてが叶ったらいいけれど、そうはいかないのが人生です。あなたがものすごい金持ちの有名人で、すべてに満足しているなら別ですが。

    つまらない仕事をやめてぶらぶらしていたら、突然ハリウッド超大作の監督になってほしいと頼まれるなんてことは起こらないし、電車で乗り合わせた信じられないほど可愛い女の子(やカッコイイ男の子)に声をかけることもできません。少なくとも、ほとんどの人には

    そこで、あなたの個人的な夢、フィクションの世界でしか叶えられない夢がすべて叶うようなシナリオを考えてみるのです。ついでに、その話がおかしな方向に転がるとしたら、どうなるかも。


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    7.有名なSF作家に挑戦するような話

    何も本当にケンカを売れと言ってるのではありません。が、有名なSF作家の作品に、あなたが作るストーリーで対抗してみましょう。たとえばヴァーナー・ヴィンジは『レインボーズ・エンド』でサイバースペースの歪んだ形を描きましたが、自分ならここはこうする、と思う部分をストーリーに書いてみるのです。

    サイエンス・フィクションは多くの作家が互いに挑戦しあい、ひとつの定番の要素にそれぞれの描き方をしてみせることで進化してきたジャンルです。ほかの作家のすべてを否定する話ではないにしても、そこから素晴らしいストーリーが生まれるかもしれません。


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    8.厳しい現実を見つめる話

    世界にはまったく明らかな事実なのに、人が事実だと思いたくない話があります。たとえば私たちが毎日使うコンピューターは、想像できないほど劣悪な環境で働く人々の手で作られていること。たとえば石油の時代は終わりに近づいていて、南極の氷は多くの人が予想したよりずっと早く解けていること。

    これらは誰もがなんとなく知っている話だけど、あまりに遠い出来事のように思えて現実味を感じることができません。でもフィクションなら、人々にこういった現実に直面してもらうのにぴったりなのです。

    そして特にサイエンス・フィクションなら設定やスケールをちょっと変えることで、こういった耳の痛くなるような嫌な話を説教臭くならずにする方法はいくらでもあります。未来の水不足による戦争に巻き込まれた人を描いて、読者に自分自身に重ね合わせて水の問題を考えてもらうこともできるのです。


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    9.新発明が想像もつかない結果につながる話

    これは2番目の「画期的な新発明が悲劇を生む話」と似たようなアイディアですが、特に誰かの人生が壊れるというよりは、もっと大きな規模の話。新しいテクノロジーがとんでもない結果を生んでしまう、『ウォー・ゲーム』的な展開はサイエンス・フィクションの得意とするところです。

    悲劇でなくてもかまいません。たとえば脳にあるデバイスを移植することで、誰でもすべての言語が理解できるようになったら、何が起きるでしょうか。もっと旅行に行く人が増える? 貿易がよりさかんになる? 争いが減る?(または相手に悪口を言われたのがわかって、もっと争いが増える?)

    でもきっと一番面白いのは、誰がどんなに考えても想像できないような驚きの展開になること。新しい奇跡のテクノロジーが巡り巡ってどんな影響をもたらすのか、さまざまな可能性をじっくり考えてみましょう。そして一番ありえなそうなアイディアを元に、ストーリーを書くのです。


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    10.昔信じていたことが実は本当だったら...な話

    誰にでも、昔信じていたのに本当はそうじゃないと気づいたことの1つや2つあるはずです。「サンタクロースは本当にいる」とか、「物理学を勉強したら宇宙のすべてがわかる」とか。

    何かのきっかけでそれが本当ではないと気づいたり、成長するうちに自然とわかったりした事柄を題材に選んでみましょう。科学的なことや宗教的なこと、自分が絶対こうあるべきだと信じていた哲学などでもいいです。

    そしてその「信じていたこと」が真実となっている世界や、同じことを固く信じ続けているキャラクターを想像してみるのです。まだ信じていた頃の気持ちを思い出して、今はその場所を通り過ぎた自分との距離も感じつつ、ストーリーを書いてみてください。

    昔の自分の考え方を思い出すことは、キャラクターのものの考え方にリアリティを与える最も簡単な方法。ストーリーの舞台となる世界全体を想像するのにも役立ちます。


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    さて、以上のアイディアに対する海外読者の反応もちょっとご紹介しますね。

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    Trike:アイディアの4と9だけど、「良いSF作家はクルマについて書き、素晴らしいSF作家は交通渋滞について書く」って誰かが言ってたな。

    新しい技術から生まれる文化や社会への影響は、技術そのものと同じくらい、もしかしたらそれ以上に面白いと思う。


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    Rinlyn:アイディアはいっぱいあるけど書く気力がまったくありません。

    paddy-k:無理せず他の趣味を見つけたらいいんじゃないかな。

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    Togusa231:10を見てラブストーリーを書こうと思ったよ。愛は存在しないみたいだからさ...。
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    Magazine images via Toyranch, McClaverty, Dan Century, Modern Fred, Mickey the Pixel and Ussatule on Flickr
    10 Tips for Generating Killer Science Fiction Story Ideas[io9]

    (さんみやゆうな)

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