どのメディアもアレンジが多く、原作に忠実というワケではないようですが...。
長いことシリーズのファンをしている方々であれば、もうご存知かもしれませんが、オープンワールドFPSゲーム『S.T.A.L.K.E.R.』は、カンゼンに独自のコンセプトで作られたモノではないんです。実はこれ、1979年に作られたアート・フィルムである、『ストーカー』からアイディアを得ているゲームなんだとか タイトル以外には、そんなに多くの共通点はないように思えますが、「New York Review of Books」のゲイブリエル・ウィンズロウさんによると、これらの2作品を見比べてみると、ゲームのほうが自由度が高いにせよ、大まかな部分では核となる文脈が同じである、とのことです。
以下ではさらに、映画版の原作との関係にも迫ります。どうぞ。 とは言ったものの、アンドレイ・タルコフスキー監督が製作した映画版とゲームとではあまり似た点がないらしく、むしろストルガツキー兄弟による原作の小説「路傍のピクニック」では、けっこうインスパイアーされたところがあるそうな...。 では、ウィンズロウさんによる分析を読んでみましょう。
映画は、SF小説である「路傍のピクニック」をユルくベースにしていますが、このテレビゲームはいくつかの点において、タルコフスキー作品が元にしたネタよりも、もっと原作に近い箇所があります。 登場するのは「ストーカー」と呼ばれるたくさんの人々で、報酬を目当てにしています。「ゾーン」という部屋の要素は「Mosquito Mange」や「Burning Fluff」、「Full Empties」などたくさんあるのですが、「肉挽き機」という部屋など、映画ではけっこう恐ろしく描かれています。しかし、ゲームでは「アノーマリー」と呼ばれる死に至るトラップや、無限の動力と人智を超えた能力を備えた「アーティファクト」という不思議な物質が追加されており、これらが人々を「ゾーン」へと駆り立てるのです。 小説では、これらはエイリアンによる科学技術ということになっていますが、ゲームでは原発で起こったメルトダウン事故による結果...というように描かれています。
とまぁ比較すると、こまごまとイロんな相違が浮かび上がってきますが、こうして分析を読んでいると、映画版も小説もチェックしてゲームがどれくらい影響を受けたのか、確かめたくなってきますね。
FPSゲーム『S.T.A.L.K.E.R.』とネタ元の映画&小説『ストーカー』を比べてみる[Kotaku Japan]
In the Zone of Alienation: Tarkovsky as Video Game [NYR via Kotaku]
(岡本玄介)
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