タイムトラベル


こちらは1928年のアメリカで撮影された映像。どこかおかしな所があるのにお気づきでしょうか? タイムトラベルを実現不可能だとする科学者は多いですが、私たちの周りにはその可能性を示す出来事がたびたび起きています

今回は「io9」から、そんな不思議なエピソードの数々をご紹介しましょう。
 


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1. モーバリー/ジョーダン事件

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1901年8月10日、2人のイギリス人女性がフランス・パリのベルサイユ宮殿を観光に訪れました。2人はベルサイユの離宮である小トリアノン宮殿の庭園を散策している途中、不思議な体験をします。

旅行ガイドを頼りに歩いていたものの、曲がり角を間違えて道に迷ってしまった2人。歩き続けていくうちに、いくつかの建物を通り過ぎ、何人かの人に出会いました。建物の窓辺で布をはたいている女性。風変わりな三角帽をかぶった2人の男性。小さな家屋の戸口に立つ母親と少女。庭園のガゼボで椅子に腰掛けた男性。そして芝生でスケッチをする女性。

歩いている間、2人は何とも言えないひどく重苦しい雰囲気を感じたと言います。

イギリスに帰国後、小トリアノン宮殿でのことが気になった2人がその歴史を調べてみると...彼女たちがあの庭で出会った人物たちは、フランス革命時代(1789-1799年)の小トリアノンに実際に住んでいた人々の特徴と酷似していることがわかりました。そして、芝生でスケッチをしていた女性は、フランス王妃マリー・アントワネットその人だったと言うのです。

その後、2人は何度か小トリアノンを訪れましたが、庭園の様子は1901年の8月10日に見た風景とはまったく違っていました。あの日見た建物はなく、あの日渡った橋もない。2人が散歩中に渡ったと証言した橋は、1901年の小トリアノンにも、同宮殿の記録にも存在しなかったため、2人の話を作り話だと言う人もいました。

ところが1903年になって、他の地図には描かれていない橋が描かれた、当時の地図が発見されたのです。

タイムトラベル、幻、幽霊など様々な説がありますが、いずれにしても興味をそそられる話です。


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不思議な体験をしたシャーロット・アン・モーバリーとエレノア・ジョーダン


ちなみに、8月10日はフランス革命の「8月10日事件」が起きた日。1792年、フランス国王一家が避難先のテュイルリー宮殿で身柄を拘束され、警護にあたっていたスイス衛兵隊が民衆に虐殺されました。フランス王政が倒れた日としても知られています。

(写真:Myrabella および Wikimedia Commons


2. 1928年の記録映像で、携帯電話を使って話しているように見える女性


1928年のチャーリー・チャップリンの映画、『サーカス』の公開初日の様子を撮影した映像に、携帯電話を使って話している女性がいる―。

2010年、北アイルランドの映画制作者ジョージ・クラークさんは、『サーカス』DVDの特典映像を観ていて、この女性の姿を発見しました。映像には、確かに左手を耳にあてて口を動かしている女性が映っています

クラークさんが「結局何だと思う?」とYouTubeで問いかけると、さまざまな意見が寄せられました。タイムトラベル以外で多かったのは、シーメンス社が1924年に開発した補聴器か、ウエスタン・エレクトリック社の補聴器(写真)を使っていたという説です。


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似たような映像は他にもあります。1938年、米マサチューセッツ州の工場から出てくる女性たちの中に、やはり携帯電話で話しているように見える女性の姿が。しかしこちらも補聴器説が有力なようです。



(写真:Hearing Aid Museum


3. イギリス空軍中将が1935年に見た、未来のドレム飛行場

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これは、イギリス空軍のロバート・ビクター・ゴッダード空軍中将が実際に体験したとされる話です。

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1935年、当時空軍中佐だった彼は、エジンバラ近郊のドレムという地域で、長らく使用停止となっていた飛行場を視察するよう命じられた。彼が行ってみると飛行場は荒れ果て、近所の家畜が滑走路の割れ目から生えた草を食んでいるような状態だった。

視察を終えた後、飛行中の大雨でトラブルに見舞われた彼は、一度ドレムの飛行場に戻って出直すことにする。

飛行場上空に近づくと、突然雨が止み、陽の光が射した。彼が下を見ると、飛行場は完全に改装され、使用されているように見える。青い作業着を着た整備員たちが、滑走路に停められた4機の黄色い飛行機の周囲を歩いていた。4機のうち1機は、長年の飛行経験がある彼でもまったく見たことのない機種だった。

ーハービー・ブレナン著『Time Travel: A New Perspective』より


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この出来事の4年後、イギリス空軍は所有機の機体を黄色にペイントし、整備員の作業着を青に変更したそうです。

(写真:Planes and Choppers および Scotlands Places


4. 1941年のカナダで、どう見ても違う時代から来たように見える男性

1941年、カナダ・ブリティッシュコロンビア州北部の小さな町で、改修された橋の開通記念セレモニーが行われました。その時の写真がこちらです。


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正装したレディース&ジェントルマンに混じって、1人だけやたらと現代的な姿の男性が。

合成? タイムトラベラー? 写真は町の博物館に収蔵された1点で、2008年に同博物館のウェブ版に公開されました。念のため専門家が鑑定したところ、合成ではないとの結果が。ということは...


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しかし残念ながら、彼はタイムトラベラーではないようです。男性がかけている、サイドにシールドがついたタイプのサングラスは、1920年代から出回っていたそう。また「W」とプリントされたTシャツに見えるのは、地元ホッケーチームのセーターとのこと。

それにしても、彼のファッションセンスは完全に時代を超越してますね。

(写真:Forgetomori


5. フィラデルフィア計画

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都市伝説として有名なフィラデルフィア計画。アメリカ海軍の記録にはもちろん存在しません。真偽のほどはともかく、ここではその概要をご紹介しましょう。

1943年、アメリカ海軍は駆逐艦エルドリッジを使い、大規模なステルス実験を行いました。強力な磁場発生装置を使って戦艦が発する磁気を打ち消し、レーダーに映らないようにしようと考えたのです。

しかし実験当日、驚くべき現象が起こります。開始後まもなく、エルドリッジは青い閃光とともに、物理的にその場から消えてしまったのです。レーダーに映らないどころの話ではありません。

艦体はその瞬間、フィラデルフィアの実験場から320km離れたノーフォーク海域にテレポートし、しばらくして元の実験場に再び現れました。またその際に約10秒間、過去にタイムスリップしたと言われています。

たった10秒のタイムスリップはどうやって確認したんでしょうね。艦内の時計が10秒遅れていた、とか?

(写真:Wikimedia Commons


6. 映画『アパッチ砦』でiPhoneを使う登場人物

1948年のアメリカ映画、『アパッチ砦』からのワンシーン。馬車に乗ったシャーリー・テンプルとヘンリー・フォンダが位置確認に使っているのは...?



7. ルドルフ・フェンツの伝説

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1950年6月、アメリカ・ニューヨークのタイムズ・スクウェアで、30代と見られる男性がタクシーにはねられ死亡した。

その男性は1800年代後期の服装に身を包み、ポケットにはビール引換用の銅製トークン、馬の世話と荷台の洗車の請求書、1876年の日付が入った手紙、現金70ドルと名刺が入っていた。所持品はどれも風化しておらず、新しい状態だった。

1876年に行方不明となっていた29歳の男性が、1950年にそのまま現れたのだーー


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これは作家ジャック・フィニイが1951年に書いたSFショート作品『こわい』に登場するエピソード。しかし1970年代になって「実話だったのではないか」という噂が急激に広まり、アメリカでは有名な都市伝説となっています。

(写真:Transpress NZ


8. モントーク米空軍基地の地下トンネル

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アメリカ・ニューヨークのモントーク空軍基地には、1943年にタイムトラベルできる地下通路があるーー

これは、過去に同基地で働いていたという2人の男性が、1980年代に「封印されていた記憶が蘇った」として著書で明かした話。トンネルは地下にある実験施設の一部で、科学者たちはそれを使って1943年と行き来していたそうです。

(写真:Wikimedia Commons


9. タイム・トラベラー、インサイダー取引で捕まる

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2003年1月、米個人投資家のアンドリュー・カールシンが、インサイダー取引の疑いで逮捕されました。800ドルの元手で株の投資を始めた彼が2週間のうちに稼ぎだしたのは、何と3億5000万ドル。当時の日本円に換算して、9万6000円が2週間で420億円になったのです。

リスクの高い取引を126回も行い、毎回上昇を当て続けたのは、インサイダー情報を得ていたからに違いないー。そう考えた捜査当局の調べに対し、彼はこう答えました。

私は2256年の未来から、タイム・クラフトに乗ってやって来た。

何でも、2000年代は株価下落の激しい時期として歴史に残っているそうで、その後の株価の動向を知っていた彼は一儲けしようと、200年前の過去にやって来たのだそうです。

当局が彼の説明を信じるわけはなく、当時のニュースは「続報があり次第伝える」としていましたが...その後、続報が出た様子はありません。

(写真:Engelcast


10. ジョン・タイター

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2000年から2001年にかけて、2036年から来たタイムトラベラーを名乗る人物が、アメリカの複数のインターネット掲示板に書き込みを行いました。彼の名はジョン・タイター。

タイターは他のネット利用者の質問に答える形で、乗ってきたタイムマシンや彼がいた世界の様子、2036年までに起こる出来事について語り、最初の書き込みから約4か月後に姿を消しました

上の画像はタイターが投稿した画像の1つで、タイムマシン(正確には乗用車に搭載してタイムトラベルに使用する装置)を図解した資料。ちなみに装置はGE(ゼネラル・エレクトリック)社製だそうです。

タイターは、アメリカ合衆国の崩壊や核戦争など、数多くの予言を残したとされています。ただ、私達がいる世界とタイターの元いた世界は、異なる「世界線」(パラレルワールドのようなもの)の上にあるそうで、彼が元の世界で見てきたことが私達の世界でも起こるとは限らないようです。

現在から最も近い予言は、2015年に核戦争が起こり、それが拡大して第3次世界対戦に発展するというもの。とにかく当たらないことを祈ります。

(画像:Stranger Dimensions


11. 未来の自分に出会った男


未来にタイムトラベルして、70歳の自分自身に出会ったと言う男性。彼はタイムマシンや特殊な装置を使ったわけではなく、自宅キッチンの排水管を修理しようとシンク下の奥へ奥へと進んで行ったら、なんと未来の世界に出てしまい、そこで将来の自分自身に会ったと言います。

こんな話は誰も信じないかもしれないと思い、持っていたスマートフォンで動画を撮影。腕に入ったまったく同じタトゥーが証拠です。


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...というのは、スウェーデンの保険会社AMFの宣伝用に作られた映像でした。オチはしばらくしてから明かされたようですが、最初に見た人々はどう思ったんでしょうね。

(写真:Forsman&Bodenfors


[via io9

(さんみやゆうな)

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RSS情報:http://www.kotaku.jp/2013/10/the_time_traveller.html