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日本のとある企業と『バットマン』にはある共通点が存在します。それは、青いバラの開発に成功したこと。元々バラには青色色素を作る為の遺伝子が存在しない為に、不可能とまで言われたこの青いバラですが、日本ではサントリーが20年近い研究を経て品種改良に成功。「アプローズ(喝采)」という名前で2009年より発売されています。 その日本が誇る青いバラが、この秋から北米・カナダに上陸することになりました。果たして、日本のバットマンは青いバラで北米から喝采を受けることが出来るでしょうか。 詳細は以下より。
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既に日本では「アプローズ」が流通しているため、青いバラがそんなに珍しいものだという感覚は薄らいでいるかもしれません。なので、ここは初心に戻り、青いバラが何故不可能の象徴と言われていたのか、そして、その誕生までの流れをざっと振り返ってみたいと思います。 まず、バラは「デルフィニジン」と呼ばれる青色色素を合成することが出来ません。その為、「アプローズ」誕生前に流通した青いバラは、白いバラを青く染めたものが一般的でした。元より青くする遺伝子が存在しないために、青いバラの開発は失敗の連続で「不可能の代名詞」と呼ばれるまでになったのです。 元々、青いバラの開発は、リトマス紙と同じように酸性で赤色に、中性は紫色に、そしてアルカリ性では青色に変化するアントシアニンの赤色/紫色の赤みを抜くことで青くすることが主流でした。しかし、前述の通り、バラには青色を作るデルフィニジンという色素が存在しない上に、pH4以下という酸性なので色素を抜いた所で青くなりません。 そこで科学者が注目したのが、青色パンジーのデルフィニジンを使った遺伝子組み換えでした。このように文字にして書くと、とても簡単な作業のように聞こえますが、開発開始から青いバラの誕生まで約14年。アプローズ誕生ストーリーにも、開発者が「もう無理かもしれない」と諦めかけたこともあったと記しています。 コミック版『バットマン』では、ブルース・ウェインの執事であるアルフレッド・ペニーワースが青いバラを栽培しましたが、これは作者が「アルフレッドが万能で、不可能を可能に変える男である」ことを伝えたかったのでしょう。 今秋から北米/カナダで発売が開始される「アプローズ」。「奇跡」という花言葉を持つこの花が大切な場面で色を添えてくれることでしょうね。
[via Wired and RSC via io9] (中川真知子)
RSSブログ情報:http://www.kotaku.jp/2012/08/do_you_have_to_be_batman_to_create_a_blue_rose.html