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もう過去の話ですが、あえて掘り起こしてみましょう。

1987年、『ゼルダの伝説』第1作目の発売当初、同作が「かなりイケるぜ!!」と息巻く、なかなか大胆不敵な任天堂サマのお話です。ま、ゼルダが悪いってわけではありませんよ。ただ、それにしても、あまりにも前のめりすぎたというか...。

1987年5月といえば、「ニンテンドウ エンターテイメント システム(NES)」をアメリカで売り始めてから1年後。『スーパーマリオブラザーズ』は飛ぶ様に売れまくっていました。過去の決算報告によると、1987年がどんなんだったか判っちゃうんですよ。
 

当時、アメリカ、ワシントン州レッドモンド にある任天堂の社長、荒川實(みのる)氏はこんな事を仰っていたんです。「ゲーム産業は良い状態にある。1987年に、450万台のビデオゲーム機を売る 事が出来ると見積もっている。1986年の140万台に比べて、300%の伸び率になるだろう。」

続けて、「ゲームパックの間で、最も人気があった点から、第二の『スーパーマリオブラザーズ』になるのは『ゼルダの伝説』と 見込んでいる。会社側は、『ゼルダの伝説』を約4億円を使って広告やプロモに充て、また約20億円の広告とプロモの予算で、1987年度第4四半期販売を サポートする。我が社の持続した良質の製品はマーケティングの強さと一緒に、新しい世代のビデオゲームのカテゴリーの中でリーダーとして競争力を維持する だろう。」とかなり強気です。頭の上で「ピカーン!!」と電球が光ったことでしょうね。その当時、任天堂の景気を上げるのは『ゼルダの伝説』と予想し、かなり入れ込んでいたようなんです。

しかし『スーパーマリオブラザーズ』に並ぶどころか、その人気を超すゲームですって? この一時の威勢の良い発表は、上手く行ったかのように見えましたけど...結局『スーパーマリオ』を超すなんてのは、やっぱ無理な話だったんです。何度も、いいますが『ゼルダ』が悪いというわけではありません。『スーパーマリオ』が神すぎたのです。

まぁ、過去にはそんなことがありました、ってことでバック トゥ ザ フューチャー!! 皆さん、ひとつのことに気合いを入れるのも良いですが、後々ハズかしい思いをしないように気を付けましょう。


1987年『ゼルダの伝説』に裏切られた、任天堂の思惑[Kotaku Japan]
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Stephen Totilo(原文/岡本玄介)