バットマンやスーパーマンといったスーパーヒーローを、異なる役者で何度も映画化するのはハリウッドでは一般的。違う俳優を起用することで、それまでのイメージを払拭して新たなヒーロー象を作るといった目的があったり、前作から時が経って当時の俳優が年齢的に厳しいために新しい俳優を使うといったことは多々あります。
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そして、時には「これはちょっと...」と思うようなキャスティングになりかけることも、決して珍しくありません。
そこで今回はMOVIEWEBがまとめた、危うく(?)実現しかけたスーパーヒーロー役9選をご紹介します。
■ニコラス・ケイジのスーパーマン
髪の毛は......
ニコラス・ケイジは、息子にスーパーマンの本名カルエルを名付けてしまうほどの熱狂的なアメコミファン。そんな彼がスーパーマンに選ばれたのは、ジョン・ピーターズがプロデュースしたケビン・スミス脚本の作品でのこと。
もともと、スミスはベン・アフレックをクラーク・ケント役に考えていましたが、ヒットを見込めると考えてピーターズがニコラス・ケイジと契約。しかし、当時監督を任命されていたティム・バートン監督や脚本の書き換え、予算面などが原因で結局頓挫してしまいました。
ちなみに、ピーターズはケイジのことを「宇宙からやってきた存在だと観客に納得させる力がある」と説明。ティム・バートン監督も「視覚的にキャラクターを変えることができる存在」と、そのキャスティングに満足していたそうです。なお、製作中止までの経緯はドキュメンタリーにもなっています。
■トム・セレックのインディ・ジョーンズ
トム・セレックでもヒットはしたでしょう
インディアナ・ジョーンズ役にトム・セレックというのは、長い間に渡って構想されていたことでした。実際、スティーブン・スピルバーグはトム・セレックにインディ・ジョーンズ役をオファーしたそうですが、彼は『私立探偵マグナム』の撮影が入っていたこともあり、断ったとのこと。
トム・セレックはいい俳優ですが、あの帽子、あの鞭、実の親父と(偶然とはいえ)同じ女性を共有してしまう間抜けさなどは、ハリソン・フォードが一番似合います。トム・セレックでは「決まりすぎ」ではないでしょうか?
■マーロン・ウェイアンズのロビン
衣装合わせまでしたのに......
ティム・バートン監督が『バットマン』シリーズの第3弾を撮る予定だった時、ロビン役はマーロン・ウェイアンズで決まっており、衣装合わせまで進んでいたそうです。
残念ながら、バートン監督とスタジオが映画の方向性で揉めてしまったために、監督がジョエル・シュマッカーに変更され、それに伴ってロビン役もクリス・オドネルに変わりました。マイケル・キートンとマーロン・ウェイアンズの組み合わせは、映画が実現しなかったので想像しかできませんが、コメディ要素の強いファンタジーアクション映画になったかもしれません。
▪■エドワード・ファーロングのスパイダーマン
あの人と共演!?
『ターミネーター2』で女子のハートを鷲掴みにしたエドワード・ファーロングの復活を願う人は少なくありません。激太りが何度も報じられていますが、痩せればあの甘いマスク。どうにかして再びスポットライトを浴びせたいと思うのは女性ファンだけでは無いのでしょう。
しかし、彼にスーパーヒーローは厳しい気が......。『クロウ -真・飛翔伝説-』で多少アクションは披露しましたが、あれも他の俳優の方が良かったのでは? との声もありました。
エドワード・ファーロングにスパイダーマン役を! という話が持ち上がったのは、ジェームズ・キャメロン監督が『スパイダーマン』の指揮を取ることで計画が進められていた時。アーノルド・シュワルツェネッガーをドクター・オクトパスとして出演させ、再共演で高視聴率ゲットを狙ったそうです。残念ながら、制作側が資金問題を抱えていたため実現せず、話だけで終わってしまいましたが、今考えると良い結果になったのではないでしょうか。
■ジャック・ブラックのグリーン・ランタン
ファンにギャグ路線は受け入れられなかったようです
元々、『グリーン・ランタン』はコメディ路線でジャック・ブラックが主役として計画が進められていました。しかし、ネット上での反応が悪かったため、コメディ路線はやめ、シリアス路線に変更され、ライアン・レイノルズが選ばれています。
■ヴァル・キルマーのキャプテン・アメリカ
ちょっとキャラが違うような気が......
『バットマン・フォーエヴァー』でバットマン役を演じたヴァル・キルマーは、キャプテン・アメリカの候補として名前が挙がっていたとのこと。彼にはアカデミー賞受賞といった華々しい経歴はありませんが、名門ジュリアード音楽院演劇科で培った演技力は見事です。しかし、逆に存在感が強すぎて浮いてしまうのではないでしょうか?
■ボブ・ホスキンスのウルヴァリン
想像できない...
2014年に満71歳でこの世を去ったボブ・ホスキンスは、『X-メン』映画化の話が出たとき(実際に映画になる10年前)に、ウルヴァリン役の候補として名前が挙がっていたそうです。
アメコミ版『X-メン』のストーリーを何話も手がけたアメコミ作家のクリス・クレアモントが、ボブ・ホスキンスにウルヴァリンを演じてほしいと考えていたことから、彼の名前は出たのだとか。今ではヒュー・ジャックマンが完全にはまっていることを考えると、もしボブ・ホスキンスがウルヴァリンを演じていたら、実写版マリオに続く「黒歴史」となっていた可能性も......。
■アーミー・ハマーのバットマン
クリスチャン・ベールに勝てたでしょうか?
ワーナーがジョージ・ミラー監督にメガホンを取らせることで進めようとしていた『Justice League: Mortal』では、アーミー・ハマーがバットマン役としてキャスティングされていました。
『ソーシャル・ネットワーク』でトロント映画批評家協会賞助演男優賞を受賞し、『ローン・レンジャー』のローン・レンジャー役で知られるアーミー・ハマーですが、クリスチャン・ベールのブルース・ウェインほどのインパクトは無かったかもしれません。
■ヴィン・ディーゼルのスーパーヒーロー
悪役がいいのでは?
『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』のグルート以外にも、スーパーヒーローの話が持ち上がっていたヴィン・ディーゼル。彼の場合、具体的にどのヒーローとは明かされていませんが、何度か噂にもなりました。
しかし、ヴィン・ディーゼルの個性はヴィランの方が活かせるのでは?(顔もどちらかというと悪役顔ですし) と感じる人は多いのではないでしょうか。
いかがでしたか? 実際に演じていたら良かった可能性ももちろんありますが、ヒーロー役にばっちりはまった役者陣と比べると、やっぱり違和感がありますね。
[via Movieweb]
(中川真知子)
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