これから世界は右傾化していくだろう。右傾化というと警戒する人も多いが、人間社会で一番怖いのは「左傾化」である。なぜなら、左傾化の行き着く先に待っているものこそ、最大の恐怖である「全体主義」だからだ。

これは多くの人が知らないことだが、戦前戦中の日本は、陸軍による左翼国家(右翼ではない)になり、最後には全体主義国家となった。それは石原莞爾や東條英機など、当時の日本を率いたリーダー層の来歴を知れば知るほどよく分かる。彼らはそれまでの右翼社会に激しく反発して日本を左傾化させた。その結果全体主義が台頭し、戦争が起こって多くの人が死んだのである。

もちろん、激しい左傾化が起こったのはその前の社会が右傾化し、それに対する揺り戻しが起きたからだ。従って右傾化も危険は危険である。右傾化が極まったとき、反動として左傾化が起き、全体主義が台頭して、社会は破滅へと向かう。

20世紀前半のドイツも同様の動きを見せ