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ディズニーのアニマル映画『ズートピア』の「毛」の凄さに迫る
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ディズニーのアニマル映画『ズートピア』の「毛」の凄さに迫る

2016-03-10 21:30
    ズートピア


    「ウサギは人参作り」という暗黙の前提を努力と根性で覆して警察官になったジュディ・ホップスと「キツネはずる賢くて信頼できない」といったイメージ通りだけど......な詐欺師ニック・ワイルド


    【大きな画像や動画はこちら】

    そんな2匹が、捕食/被食者が理性を持って仲良く暮らす動物たちの楽園「ズートピア」で起こる不可思議な失踪事件の謎に迫るディズニーのファンタジー・アドベンチャー映画『ズートピア』。

    本作はストーリーも秀逸ながら、キャラクター一匹一匹の生き生きとした表情や動物たちのリアルな質感、実写に近い映像美も大きな注目を集め、『アナと雪の女王』を超えるディズニー史上最高のオープニングを叩き出しました

    今回はEngadgetが取り上げた、『ズートピア』のある種の主役とも言える「毛」のすごさに迫るCGの舞台裏をご紹介します。



    『ズートピア』の主役は動物たちですが、彼らのアニメーションを作る上で最も重要なのは「」の再現。そこでウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの優秀なアーティストたちは、カスタムメイドのソフトウェアを使い、数カ月に渡って毛の研究を行ったそうです。

    彼らはサンディエゴのサファリパークやディズニーのアニマルキングダム、さらにはケニアまで足を運び、動物たちの行動パターンを観察しました。そこでたどり着いた答えは「キャラクターをよりリアルに見せるためには、キャラクターモデルをリアルにする必要がある」というもの。

    クルーは観察の場を自然動物園ではなく、自然史博物館へと移し、顕微鏡を使って観察したり、ライトの下で毛の繊維がどのような反応をするのかといったことを徹底的に調べたりしたそうです。

    ディズニーはかつて自分がスーパーヒーロー犬だと勘違いしている犬の映画『ボルト』を作りましたが、あの時の技術は動物だらけの『ズートピア』では使えません。

    そこで、エンジニアチームは「iGroom」というファー・コントローリング・ツールのソフトウェアを使うことに。このiGroomのおかげで、洋服を着ていながら250万本という膨大な数の毛を持つウサギやキツネのシェイプを作ることに成功しています。

    ちなみに、モブのキリンの毛は900万本、砂ねずみの毛は48万本(『アナ雪』のエルサの髪の毛でさえ40万本!)という数字を見れば、どれほど動物のモデルが緻密にできていたのかがわかるでしょう。

    リサーチの段階で、チームは動物の毛がゴージャスに見える秘密は、その下部層にあることに気がついたとのこと。しかし、同じようなディテールはコンピューターで作り上げることはできず、「アニメーターが毛の厚さを変化させる架空のレイヤーを作り、毛の密度を再現」したそうです。


    ディズニーの大ヒットアニマル映画『ズートピア』の「毛」の凄さに迫る1.jpg

    なめらかな手ざわりまで伝わってきそう


    ソフトウェアのおかげでアニメーターは毛を整えたり、成形したり、影をつけたりと、動物の動きに沿ってリアルに変化させることが可能になりました。「こういった作業を素早く、繰り返し行うことで理想の形に効率よく到達することができた」と、キャラクター・ルック・スーパーバイザーのミッシェル・ロビンソン氏は語っています。

    また、『シュガー・ラッシュ』(2012年)以降開発されてきたリアル・タイム・ディスプレイ・ソフトウェアの「Nitro」を使うことで、アニメーターは、ほぼ瞬間的にリアルなレンダリング画像を確認できたため、すぐに決断をすることが可能に。このツールにより、動物たちの微妙な表情を作る上での判断スピードが上がったそうです。


    ディズニーの大ヒットアニマル映画『ズートピア』の「毛」の凄さに迫る2.jpg

    見よ、この毛のボリューム!


    リアルさを求めたのは、キャラクターだけではありません。背景チームは、こういった動物たちが暮らすにふさわしいだけの、現実味のある環境を作る必要がありました

    本作には異なるエリアが登場しますが、中でも目をひくのがアマゾン。ここに登場する植物は、2013年に『アナと雪の女王』で初めて使われた「Bonsai(ボンサイ)」という植物ジェネレーション・ツールを使って慎重に造形されているのです。


    ディズニーの大ヒットアニマル映画『ズートピア』の「毛」の凄さに迫る3.jpg

    生い茂る木々をソフトウェアなしで作るとなると気が遠くなります。


    「Bonsai」というは、どのように木を作るのかを学ぶと、いくつもの異なるバリエーションを生み、複雑に重なり合う雨林の群葉を作り出します

    他にも、インハウス・ソフトウェアの「Hyperion(ハイペリオン)」という光レンダリング・システムも『ズートピア』の世界観製作を支えているそうです。

    こちらは抱きしめたくなるロボットでおなじみ『ベイマックス』(2014年)のために作られた「反射する素材によって異なる光の反射を正確にシミュレート」するもので、光の自然の動きを複製し、フォトリアリスティックな絵を作ることができます。

    『ズートピア』の場合、現存のソフトウェアに毛のパラダイムを加える必要があったため、レンダラーは密な動物の毛を通って移動する光線も追っています

    共同監督のバイロン・ハワード氏は「ハイペリオンを使う前は、シーンのライティングがどういった見え方になるのかがわかりませんでした。しかし、今ではかなり早い段階、シーンのレイアウトをしてカメラをセットしたくらいで、すでにシーンがどのように見えるか? というアイディアを得られるようになったんです。これはディズニーの映画作りを簡単にする上で大きく役立っています」と話しています。

    数ある動物モノの中でもモフモフ度が格段に違うディズニーの『ズートピア』。ストーリーの面白さとキャラクターのかわいさ、映像の美しさ、全てを楽しめる作品です。以下の予告編と本編映像でまずはその一部を見てみてください。




    『ズートピア』は4月23日(土)2D/3D全国ロードショー。

    ©2016 Disney. All Rights Reserved./Disney.jp/Zootopia


    source: YouTube, CGMeetup via Engadget

    中川真知子

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