4a60b80e55cba4c36d4ebdb33949f9829ca35a0f


第三話第三章 ウィジャボード


著:古樹佳夜
絵:花篠

-----------------------------------------------------
-----------------------------------------------------

■『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 連載詳細について

https://ch.nicovideo.jp/kuroineko/blomaga/ar2060929

※本作『阿吽』のご感想・ファンアートなどは
#あうんくろねこ をつけてツイートいただけますと幸いです

[本作に関する注意]---------------------------------

本作(テキスト・イラスト含む)の全部または一部を無断で
複製、転載、配信、送信、譲渡(転売、オークションを含む)すること、
あるいはSNSなどネット上への公開・転載等を禁止します。
また、内容を無断で改変、改ざん等を行うことも禁止します。

-----------------------------------------------------
-----------------------------------------------------

◆◆◆◆◆平井邸◆◆◆◆◆

吽野「ほお。うめき声ですか?」


吽野は目を細め、煙管から煙を吸った。

与太話を真に受ける気もなく、失笑している。

それを感じ取った阿文は心配した。皮肉屋の吽野のことだ、

次にどんな失礼なことを言い出すかわからない。

阿文は軽く咳払いし、平井に問いかけた。


阿文「平井先生は、実際に聞いたことがあるんですが?」

平井「ああ。執筆中に、聞いたよ、ううー……って低いうめきをね」


平井は満足げな笑みを漏らす。


吽野「ふ……」


吽野はまたも鼻で笑った。

平井をますます侮っているような態度だ。


平井「おや、信用してないようだね? 吽野君」


あけすけな態度は、平井にはバレていたようである。


吽野がどうしてこんな態度を取るのか、阿文は大体のことを察した。

先ほど、吽野がまじまじと観察していたコレクション。

あれらは曰くありげであるにしろ、偽物なのだ。

それを、吽野は見抜いたのかもしれない。


吽野「確かに、あの絵は他のコレクションとは違う。この部屋の『嫌な気』の正体はこの絵だ。でも、うめくってのは、ちょっと出来過ぎかな〜って……平井先生の勘違いでしょう」

阿文「吽野先生!」