第三話第三章 ウィジャボード
著:古樹佳夜
絵:花篠
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■『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 連載詳細について
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◆◆◆◆◆平井邸◆◆◆◆◆
吽野「ほお。うめき声ですか?」
吽野は目を細め、煙管から煙を吸った。
与太話を真に受ける気もなく、失笑している。
それを感じ取った阿文は心配した。皮肉屋の吽野のことだ、
次にどんな失礼なことを言い出すかわからない。
阿文は軽く咳払いし、平井に問いかけた。
阿文「平井先生は、実際に聞いたことがあるんですが?」
平井「ああ。執筆中に、聞いたよ、ううー……って低いうめきをね」
平井は満足げな笑みを漏らす。
吽野「ふ……」
吽野はまたも鼻で笑った。
平井をますます侮っているような態度だ。
平井「おや、信用してないようだね? 吽野君」
あけすけな態度は、平井にはバレていたようである。
吽野がどうしてこんな態度を取るのか、阿文は大体のことを察した。
先ほど、吽野がまじまじと観察していたコレクション。
あれらは曰くありげであるにしろ、偽物なのだ。
それを、吽野は見抜いたのかもしれない。
吽野「確かに、あの絵は他のコレクションとは違う。この部屋の『嫌な気』の正体はこの絵だ。でも、うめくってのは、ちょっと出来過ぎかな〜って……平井先生の勘違いでしょう」
阿文「吽野先生!」
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