河津桜が咲き誇っていた。春の匂いがした。一年前に同じ桜の下で妻と娘と進級祝いの写真を撮ったときの記憶が昨日のことのように甦る。目眩がした。光の速さのような季節の巡りにまるでついて行けていない。ずっと同じ場所で足踏みしているような一年だったせいだろうか。