蝉時雨で目覚めた。そこに太陽があった。いや、太陽はいつもそこにあった。厚い雲に閉ざされていただけだ。雨を降らせる雲の厚さはおよそ3000メートル。夏の夕立を降らせる積乱雲になると10000メートルにも及ぶそうだ。10000メートルの壁なんて想像もつかない。ベルリンの壁だって20センチしかなかったのだ。
草の根広告社
「この夏に溶けていく」
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