おはようございます。マクガイヤーです。
前回の放送「しあわせの『ドラゴンクエスト』」は如何だったでしょうか?
3時間近い放送になりましたが、それなりに喋りたいことを喋ることができ、満足しております。
冒頭に那瀬さんやゲストによるコミケレポートもあり、大変盛り上がりましたね。
マクガイヤーチャンネルの今後の予定は以下のようになっております。
8月26日(土)20時~
「最近のマクガイヤー 2017年8月号」
いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
・最近のポケモンGOとポケモンGOパーク
その他、気になった映画や漫画や時事ネタなどについてお話しする予定です。
○9月2日(土)20時~
「諸星大二郎、その魅力(仮)」
手塚治虫に「きみの絵だけは描けない」と言われ、宮崎駿に「大好きです」とリスペクトされ、エヴァやハルヒやもののけ姫や諸星あたるの元ネタにもなった唯一無二の漫画家、諸星大二郎。
民俗学や考古学からクトゥルフ神話までを自在に扱いこなし、怪奇・SF・ファンタジー漫画の名作を何作も描いてきた諸星大二郎の魅力を、2時間たっぷりと語りつくします!
アシスタントとして、久しぶりに編集者のしまさんが参加してくれます。
みんなぱらいそさいくだ!
○9月23日(土)20時~
「最近のマクガイヤー 2017年9月号」
いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
詳細未定
○10月前半(詳細日時未定)
「がんと免疫療法とがんサバイバー」
現在、日本人の死因第一位は悪性新生物――すなわちがんです。
がんの治療法としては、これまで手術、放射線療法、化学療法が3本柱とされてきました。
近年、新たな柱として注目されているのががん免疫療法です。免疫療法といえば、怪しい治療法がまかり通っていましたが、免疫チェックポイント阻害剤の劇的な効果がイメージを一身しました。
そこで、がんと免疫療法の歴史とメカニズムについて2時間じっくり解説する放送を行ないます。
渡辺謙、宮迫博之といったがんサバイバーはなぜ不倫するのか問題にも触れたいところです。
さて、今回のブロマガですが、ニコ生の補講というか、『ドラゴンクエスト』の魅力について改めて語らせて下さい。
●『ドラクエ』はVRにならない
『3D ドットゲームヒーローズ』というゲームがあります。
「80年代風の2Dドットグラフィックを、PS3の最新技術で完全3D化することを基本コンセプトとした」というのが宣伝文句なのですが、当然これはウソというか勿体ぶった表現で、実際は2Dドットグラフィックを荒いポリゴンでそのまま3D化した、出来合いのマインクラフトのような見た目を持つ、冗談のようなゲームです。
なぜ冗談かというと、80年代の8bitRPG――『ドラクエ』や『ファイナルファンタジー(FF)』をリアルタイムでプレイした人の脳内に広がっていた風景は、このようなものではなかったからです。
いや、厳密にいえば、ものすごく性根のひんまがった小中学生はこのようなイメージでプレイしていたかもしれませんよ。でも、たいていのプレイヤーの頭の中には、アレフガルドの大地が広がり、浮遊大陸が浮かぶ異世界を幻視していたはずです。
スーパーファミコン、プレイステーション、プレイステーション2……とハードが進化するたびに、美麗なCGが画面を彩り、ドットやポリゴンの向こう側の異世界を想像したり幻視したりする能力は必要なくなっていきました。
それが最も顕著なのは『FF』でしょう。『FF』のナンバリングタイトルは必ず最新ハードで発売され、最新技術を費やされた美麗なCGムービーがモニターに投影されます。CGムービー=異世界そのものです。
ですが、『ドラクエ』は違います。
『VII』以降の『ドラクエ』は、日本の王道RPGであることを辞めました。最新ハードではなく最も売れているハードで、最新技術ではなく堀井雄二のシナリオを最も表現し易い技術で作られます。たとえ解像度の高い3Dポリゴンで作られた『ドラクエVIII』や『XI』であっても、プレイヤーはポリゴンの向こう側に自分なりのドラクエ世界を幻視するはずです。PS4でプレイしても、スマホでプレイしても、脳内世界は同じになるのです。
そう遠くない未来、『FF』はVRゲーム化するでしょうが、『ドラクエ(のナンバリングタイトル)』がVR化することは無いでしょう。何故なら、プレイヤーの脳内で幻視される世界の方が「本物」だからです。
●『ドラクエ』の本質
ゲームとしての『ドラクエ』の本質を挙げるなら、以下の三つになるでしょう。
・80年代漫画(劇画)と雑誌文化に根を張るテキスト
・一本道(物語)とオープンワールドのバランスが日本人向けに最適化されたシナリオ
・主人公=ユーザーへの拘りと、ユーザーがプレイして初めて完成する「作品」であること
これを可能にしているのは、当然ながら80年代にフリーライター・漫画原作者として活躍しつつ、ゲームデザイナーとしての経験も積み上げた、堀井雄二の力です。