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【第251号】『アナと雪の女王2』に足りない「新しいサーミの女」(後編)
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【第251号】『アナと雪の女王2』に足りない「新しいサーミの女」(後編)

2019-12-11 07:00
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    マクガイヤーチャンネル 第251号 2019/12/11
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    おはようございます。マクガイヤーです。

    油断していたら風邪をひいてしまいました。もう完全に冬なので、うっかり机で寝るようなことはしないようにしたいものです。




    マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



    ○12月22日(日)19時~「Dr.マクガイヤーのオタ忘年会スターウォーズ2019」

    例年お楽しみ頂いている「オタ忘年会」。

    2019年に語り残したオタク的トピックスやアイテムについて独断と偏見で語りまくる予定ですが、今年はほとんどの時間を割いて、サーガの完結作となるEPIXが公開される『スター・ウォーズ』について語ることになると思います。

    ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。


    ちなみに過去の忘年会動画はこちらになります。

    2018年

    2017年

    2016年

    2015年

    2014年

    2013年



    ○1月6日(月)19時~「「ジャンプヒーローとアメコミヒーローのあいだ」としての『僕のヒーローアカデミア』」(いつもと曜日が異なっております。ご注意下さい)

    12月20日より映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』が公開されます。漫画『僕のヒーローアカデミア』のアニメ版にして劇場版です。原作漫画・アニメ共に高い人気を誇っており、日本は勿論のこと、アメコミの影響を受けつつ、アメリカでも大人気という、いまのジャンプを代表する漫画の一つです。オリジナルストーリーでありながら、昨年の映画版も驚くほどの面白さでした。

    そこで、アメコミとジャンプ漫画双方の視点から解説するような放送を行ないたいと思います。 ゲストとしてアメコミ翻訳家の御代しおりさん(https://twitter.com/watagashiori)をお迎えしてお送り致します。



    ○1月20日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2020年1月号」(いつもと曜日が異なっております。ご注意下さい)

    詳細未定。

    いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



    ○藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本の通販しています

    当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

    https://macgyer.base.shop/items/19751109



    ○『やれたかも委員会』に取材協力しました。

    『やれたかも委員会』(https://note.mu/yoshidatakashi3/n/na63c34ee5adc)の「童貞からの長い手紙」に取材協力しました。単行本1巻分のエピソードになるそうです。

    ちなみに基になったお話はこちら

    https://ch.nicovideo.jp/macgyer/blomaga/ar1011063





    さて、今回のブロマガですが、前回のブロマガに引き続いて『アナと雪の女王2』について解説させて下さい。




    ●『アナ雪2』と政治性

    『アナ雪2』製作にあたり、ディズニーはサーミ人の代表と契約し、サーミの文化を敬意をもって表現することについて約束したという報道がなされました。この契約には作品に対する文化的コンサルタントや(北)サーミ語吹替版の製作も含まれるようです。これには納得しました。

    『モアナと伝説の海』製作時もディズニーのクリエイターたちが実際にミクロネシアの島々を回ってリサーチを行い、作品に活かしたという経緯がありました。『アナ雪2』の「契約」はこの延長線上にあります。「テーマとなる文化の担い手にリサーチを行い、寄り添い、お互いが納得いくような作品を作る」というやり方は、現在のディズニーが考える、文化搾取を可能な限り避けるための方法なのでしょう。


    ただ、実際に映画を観てみると、『アナ雪2』の内容はサーミ人に「寄り添う」以上の、ある意味で過激なものになっていました。


    『アナ雪2』に出てくるノーサルドラ人は、明確にサーミ人をモデルにしています。サーミ人のように遊牧する民族で、サーミ人の使うテントそっくりのテントに住んでいる他に、そもそもサーミ人が声をあてていること、サーミ人をプレミアに呼び登壇させたことからも、明白です。


    劇中、アナとエルサは母親がノーサルドラ人だったことを知ります。母のスカーフはいかにもサーミ人の女性が使う伝統的なそれです。また、エルサが魔法を使える理由は、ノーサルドラ人の血をひいているからのようです(それなら何故アナが使えないのか、とも思いますが)。


    アナとエルサは、過去にアレンデール人がノーサルドラ人を虐殺していたことを知ります。これは過去にサーミ人が受けた差別や迫害を思い起こさせるもの(映画『サーミの血』などで描かれています)なのですが、凄いのは、虐殺を指揮しているのが国王であった時代のアナとエルサの祖父であることです。

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    『アナ雪(1)』でも『2』でも、アナとエルサの父である国王アグナルの顔はウォルト・ディズニーをモデルとしています。『アナ雪(1)』の頃は、たとえ3DCGでアニメを作っていてもスタジオの祖であるウォルトにレスペクトを捧げている――という意味合いしか持たなかったわけですが、『2』では事情が異なってきます。

    ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの製作体制は大きく4期に分けることができます。スタジオの祖であるウォルトが指揮し死後も(少なくとも作風は)その影響力が残った1期(~1984)、アイズナーとカッツェンバーグが指揮しルネッサンスともマウシュビッツとも呼ばれた2期(1981~2005)、ラセターがセクハラで退任するまでの3期(2006~2017)、そして現在の4期(2017~)です。

    『白雪姫 (1937)』『シンデレラ(1950)』『眠れる森の美女(1959)』などの初期作品は、今の視点でみれば明らかに文化搾取であり伝統的な女性性を強烈に押し付ける作品であることは否定できないのですが、そんなディズニー1期を指揮していたウォルトそっくりな王(の父)がノーサルドラ人を搾取し虐殺していた――という描写は、かなり思い切ったものです。これをディズニーを飛び出たカッツェンバーグがドリームワークスのアニメ作品で、『シュレック』のようなコメディとしてやるのなら分かるのですが、ディズニー自身がシリアスにやっていることに注目したいです。

     
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