おはようございます。
ちょっとだけ涼しくなって過ごしやすくなった気がするマクガイヤーです。
実は、昨年からクーラー無しの部屋で寝起きしてるのですが、これに慣れて、あと数十年経って老化した際、熱中症にならないかどうか心配です。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
○8月31日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2020年8月号」
・時事ネタ
・『がんばれいわ!!ロボコン ウララ〜!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』
・『追龍』
その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りりします。
○9月14日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2020年9月号」
詳細未定
いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
○9月28日(月)19時~「『TENET』とクリストファー・ノーラン――映画の「時間」と「嫁が怖い」――」
9/18よりクリストファー・ノーラン監督の新作映画『TENET』が公開されます。
『ダークナイト』『インセプション』『インターステラー』『ダンケルク』等を送り出してきた稀代のヒットメーカーの新作にして、新型コロナ禍の中で久しぶりに公開される大作映画です。
クリストファー・ノーラン監督の映画には大きな特徴が二つあります。
一つは、どの映画にもそれぞれ固有の「時間の流れ」がありますが、他作品に比べて突出してオリジナルな「時間の流れ」があること、もう一つは、主人公の妻が映画が始まる前から大きな役割を果たしていることです。
脚本も書いている『TENET』もこの特徴が炸裂している作品と予想しています。
そこで、クリストファー・ノーランの過去作を振り返りつつ、『TENET』を解説するようなニコ生を行います。
ゲストとしてお友達の編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。
○10月5日(月)19時~「『デカダンス』とゲームの中で生きるおじさん」
7月8日よりアニメ『デカダンス』が放送・配信されています。
未来世界を舞台としたポストアポカリプスSFかとおもいきや、ある「仕掛け」が2話で明かされる、今期注目のアニメ作品になっています。
この「仕掛け」は、実のところ、取沙汰されている『ウエストワールド』だけではなく、ここ十数年の「いま」のアニメ・映画に特徴するものでもあるのですが、主人公が中年男であるところに、おじさんである自分は泣けてきます。
そこで、『デカダンス』と関連作品について解説するようなニコ生を行います。
ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。
○10月後半(日時未定)19時~「黒沢清とセカイの恐怖」
10月16日より黒沢清の新作『スパイの妻』が公開されます。
6月にNHK BS8Kで放送された作品の映画版ですが、どう考えても普通のNHKドラマとは思えません。
そこで、映画監督 黒沢清について振り返りつつ、『スパイの妻』について解説するようなニコ生を行います。
ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。
○藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
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合わせてお楽しみ下さい。
さて、今回のブロマガですが、前回に引き続いて、『フォートナイト』で有名なEpic Gamesが抗議のパロディCMを作ったことで話題のAppleの『1984』CMについて書かせて下さい。
●Appleの『1984』のCMはどこが優れているのか
つまりAppleの『1984』のCMは、新しいテクノロジーに根ざした新しい哲学・価値観・精神性を持ったグループが、自らを革命軍や反乱軍に喩え、既得権益を持った支配層に反抗する狼煙をあげていたわけです。
このCMが衝撃的で、今の今まで名作として語り継がれている理由は二つあります。
一つは、圧倒的な映像性です。
モノトーンで統一され無機的で生気の無いディストピア管理社会に圧倒的にカラフルでスポーティ――つまり生気に溢れた――女性がプロレタリアートにとっての革命の象徴であるハンマーを投げつけるという映像は、どこの国の人にもこれが「革命」であり「反乱」であることが分かります。
当時ミュージックビデオやCMの監督でありつつ、『ブレードランナー』や『エイリアン』といった名作SF映画でその筋には圧倒的評価を得ていたリドリー・スコットが本CMの監督を務めているのですが、今観ても「ハンマーを持って走る女性」「追いかける思想警察」「スクリーンをみつめる抑圧された市民」のカットバックがサスペンスを盛り上げる上で見事です。そして、張り詰めた緊張感がスクリーンの爆発と共に解放されます。ハンマーを正確に投げるため、女子円盤投げの選手であるアンヤ・メジャーをキャスティングしなおしたそうです。全く文脈を知らない今の若者が観ても、サーの映像センスに唸らされるのではないでしょうか。
もう一つは、普遍性です。
何に対して革命や反乱を起こすのかといえば、具体的にいえばビジネス用コンピュータで当時圧倒的シェアを誇っていたIBMなのですが、これがビッグブラザーや銀河帝国に喩えられる、既得権益を持った大会社にみえるところに、いつの世の中にも通じる普遍性があります。
これは、元になったジョージ・オーウェルの小説『1984』が1948年に書かれ(刊行は1949年)、当時の共産主義やファシズムや英国の批判・隠喩でありつつ、現在にも通じる普遍性を持ちえたことと同じです。権力を持った人間が他人を従わせるためにニュースピークを使い、歴史を改ざんし、テクノロジーを使って監視し続ける限り、『1984』は決して古びないでしょう。
更にもっとえいば、Appleの歴史は既得権益に対する反抗の歴史でした――少なくともジョブズが生きていたころまでは。
iTunesによる音楽配信サービスは、既存の音楽業界に対する反抗であり、小売店でのアルバム発売という伝統的なビジネスモデルを全く違ったものに変えてしまいました(日本は音楽業界の強い抵抗により、まだCDが生き延びていますが)。
また、タッチスクリーンとアプリの統合により圧倒的なユーザーインターフェイス向上を実現したiPhoneは、「ガラケー」と呼ばれる既存の携帯電話や、BlackBerryのようなボタンがいっぱいついた高機能携帯電話に対する反抗であり、それらをほぼ絶滅に追いやりました。iモードはiPhoneのようなスマホに勝てなかったのでサービス終了した(発表された)と言い切っていいでしょう。
●無邪気なパロディ
だからこそ、今や既得権益側になったアップルに対して、Epic gamesは『1984』のパロディ映像を作り、象徴的なアイコンとしたわけです。
その意気や良しと思うわけですが、一方でちょっと醒めてしまう部分があるのは、これまでAppleの『1984』のパロディ映像はさんざん作られてきたという歴史があるからでしょう。
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