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【第292号】『のび太と闇堕ち出木杉くん(仮)』 後編その2
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【第292号】『のび太と闇堕ち出木杉くん(仮)』 後編その2

2020-10-07 07:00
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    マクガイヤーチャンネル 第292号 2020/10/7
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    おはようございます。

    一昨日の放送「『デカダンス』とゲームの中で生きるおじさん」は如何だったでしょうか?

    『デカダンス』にかこつけて好き放題喋ることができ、満足しております。




    マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



    〇10月19日(月)19時~「黒沢清とセカイの恐怖」

    10月16日より黒沢清の新作『スパイの妻』が公開されます。

    6月にNHK BS8Kで放送された作品の映画版ですが、どう考えても普通のNHKドラマとは思えません。

    そこで、映画監督 黒沢清について振り返りつつ、『スパイの妻』について解説するようなニコ生を行います。

    ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。



    〇11月15日(日)19時~「最近のマクガイヤー 2020年11月号」

    詳細未定

    いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



    〇11月29日(日)19時~「推しドキュメンタリー特集(仮)」

    『れいわ一揆』『はりぼて』『なぜ君は総理大臣になれないのか』……ドキュメンタリー映画の力作が相次いで映画館で公開されています。

    『ザ・ノンフィクション』『ドキュメント72時間』『NNNドキュメント』といったテレビのドキュメンタリー番組も長い間人気です。

    そこで(というわけでもありませんが)、ドキュメンタリー番組とはなにかについて総括しつつ、「推しドキュメンタリー作品」について紹介しあうようなニコ生を行います。

    ゲストとしてお友達の編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。



    〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

    当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

    https://macgyer.base.shop/items/19751109


    また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

    https://macgyer.base.shop/items/25929849


    合わせてお楽しみ下さい。




    さて、今回のブロマガですが、『のび太と闇堕ち出木杉くん』の続きになります。




    ●出木杉くんの地帝国

    出木杉くんはグリえもんと一緒に「ポップ地下室」で作った地下空間にいました。

    おカネは株取引で増やせますが、絶滅してしまった動物は増やせません。

    出木杉くんは、この地下空間内で「ノビール水道管」や「植物の素シリーズ」を使って河や森や草原といった自然環境を再現すると共に、「クローン培養基」や「動物の遺伝子アンプルとクローニングエッグ」を使って絶滅動物を復活させたり、絶滅が危惧される動物を増やそうとしているのでした。

    しかし、単純にクローンを増やすだけでは多様性が低く、種の復活や存続にはなりえません。限られた個体数から繁殖で生物種を増やそうとすると、遺伝的多様性が低くなり、環境変化や病気に弱い集団しかできないのです。


    「創始者効果や、ボトルネック効果といわれているやつだね」


    「さすが出木杉くん、その通りだよ。たとえば、ネイティブ・アメリカンの血液型はほとんどO型なんだ。これは、氷河期に氷で繋がったベーリング海峡(地峡)を横断してアメリカ大陸にやってきたごく少数の祖先が、偶然にもO型が多かったからだといわれている」


    「もしO型の人に感染し易い病原菌やウイルスが入り込んできたら……」


    ……みたいな、『大長編ドラえもん』でお馴染みの決して子供を馬鹿にしない分かり易い説明を入れたいところです。


    自宅に戻ってからも、出木杉くんとグリえもんのディスカッションは続きます。

    近親交配を避け、100年間生息させるためには少なくとも個体数が50以上必要らしいという結論に至ります。

    グリえもんは絶滅してしまった動物の遺伝子サンプルを集めるために、タイムベルトで過去の日本に出かけていきました(タイムマシンを持っていないグリえもんは、タイム電話を用いて未来デパートから安価なタイムベルトを購入しました。この費用は株取引で儲けた未来の出木杉くんの口座から支払うといったような描写も入れたいところです)。

    出木杉くんは現在絶滅が危惧されている動物の遺伝子サンプルを集めるために、グリえもんから渡されたスペアポケットから「どこでもドア」を取り出そうとします。


    そこに、未来世界から戻ってきたのび太たちがやってきます。



    ●未来デパート製品

    のび太たちは「出木杉くんなら、いいちえかしてくれるだろう」と相談に来たのでした。

    未来世界での一部始終を出木杉くんに話そうとするのび太たち。


    「22世紀が僕たちの知ってる未来じゃなくなっちゃったんだ」


    という一言で、出木杉くんの表情が暗くなり、額に汗が流れます。


    「その話、詳しく聞かせてよ」と身を乗り出す出木杉くん、それを邪魔するかのように小型の「ロボポリス」が現れ、のび太たちに電撃を浴びせます。人数を頼りに、なんとか「ロボポリス」を破壊するのび太たち。


    「のび太くん、これをみてくれ!」


    「ロボポリス」の残骸を調べた出木杉くんは、部品の一部に「未来デパート」の刻印があることに気づきます。


    「そうだったのか! こんなことに気づかなかったなんて!」


    未来世界では過去の遺物をコピーしたり、改変したりすることで文明を維持していました。おそらく<総理>は、未来デパート製のひみつ道具である「ロボ警官」を改造・大型化することで「ロボポリス」を作ったのでしょう。

    よく部品を調べるドラえもん。重要な部品が同じなので、「ロボ警官」を無力化するのと同じ方法で「ロボポリス」を無力化できる可能性があることに気づきます。


    「無力化? そんなことできるの?」


    「未来デパートのクラッキング技術は高度だから、普通はできない。でも、ぼくらは最近「ロボ警官」を無力化されただろ?」


    「あー!!」


    「ロボットの性能向上を生物の進化に置き換えれば、創始者効果や、ボトルネック効果と同じことが「進化」でも起きるんだね」……みたいな台詞を出木杉くんに言わせるのもいいでしょう。



    ●のび太の地底国 その3

    憂鬱な顔をして地底国に向かうのび太たち(出木杉くんも一緒です)。中でも元首相であるのび太や、独裁内閣に参加していたスネ夫やジャイアンは特に憂鬱そうです。


    到着と同時に、たちまちロボット小人の警戒部隊が現れますが、敢えて捕えられ、ロボット小人のリーダーたちとの面会を頼み込みます。


    今はロボット小人たちだけで上手くやっているので干渉しないで欲しい、と丁寧な言葉でのび太たちを拒否するリーダー。傍らには、おそらく「署長バッジ」からの指令受信装置を取り外され自由意志を得たのでしょう、元「ロボ警官」たちが衛士として控えています。


    「こんなこと頼める立場じゃないのは分かっているんだけど……」と、ロボ警官を無力化する妨害電波発生装置を貸してくれるように交渉するドラえもん。当然、「ナニヲ勝手ナ!」「りーだー、ゴ注意ヲ!」「我ラノろぼっと王国ヲ乗ッ取ロウトシテイルンダ!」と周囲のロボット小人たちが大反対します。


    のび太は、自分が引き起こしてしまったことの重さにショックを受け、よだれと鼻水を垂らし、「ワアー! ぼくの責任だ! どうしよう!!」と、泣きじゃくりながら土下座で謝ります。自分たちにとって産みの親であり、神であるのび太が、無様な姿をみせて謝罪していることに虚を突かれるロボット小人たち。


    「仕方ナイナア」


    「マ、未来ノ同胞デアル「ろぼぽりす」タチヲ救ウコトニモナルシ……」


    嫌々ながらも妨害電波発生装置を貸すロボット小人たち。「やった、これでなんとかなる!」と盛り上がるのび太たち。


    一連のやりとりをみていた出木杉くんは呆気にとられます。そして、失敗しても立ち直る強さをもち、全ての知的存在の幸せを願い、不幸を泣きじゃくって悲しむのび太の生きざまに、なにか感じ入っているような顔をするのでした。



    ●のび太とディストピアその2

    のび太たちはタイムマシンで22世紀に再度時間移動します。今回は出木杉くんも一緒です。

    22世紀に着いた途端、「やっぱり」という顔をする出木杉くん。人間よりも野生の動植物や自然環境を重視した未来世界は、ある意味で出木杉くんの理想そのままだったからです。

    しかし、人々の自由を奪ってまで動植物や自然環境を保護しようとは、少なくとも「いま」の出木杉くんは考えていませんでした。

     
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