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【第402号】松本人志とは何者だったのか(後編)
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【第402号】松本人志とは何者だったのか(後編)

2024-02-07 07:00
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    マクガイヤーチャンネル 第402号 2024/2/7
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    おはようございます。マクガイヤーです。

    2月は祝日が2回もあって最高ですね。この機会を活かしてなんとか部屋の掃除を……みたいなことを毎週書いてることに気づいたりする今日この頃です。



    マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



    〇2月12日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2024年2月号」

    ・時事ネタ

    『勇気爆発バーンブレイバーン』

    『PERFECT DAYS』

    『ファースト・カウ』

    『マエストロ:その音楽と愛と』

    『哀れなるものたち』

    『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』

    『映画 ◯月◯日、区長になる女。』

    『コンクリート・ユートピア』

    『エクスペンダブルズ ニューブラッド』

    『笑いのカイブツ』

    『アクアマン/失われた王国』

    『カラオケ行こ!』

    『ゴールデンカムイ』

    『みなに幸あれ』

    『緑の夜』

    『無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語』

    『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』

    『フジヤマコットントン』

    『白日青春 生きてこそ』

    その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



    〇2月25日(日)19時~「『ウルトラマンブレーザー』の挑戦と限界」

    昨年7月より放送されていた『ウルトラマンブレーザー』が1月に最終回を迎えます。

    「ニュージェネレーション」と呼ばれる一連のシリーズとは映像的にもお話的にも異なることに挑戦しようとした、新しい「ウルトラマン」でした。一方で、いまテレビでウルトラマンをやることの限界がみえてきたような気もします。また、2月23日に映画『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』が公開される予定ですが、同じく田口清隆がメイン監督であった『ウルトラマンZ』の劇場版が公開されなかったこともあり、どのようにテレビとは異なる映画になるのか楽しみでもあります。

    そこでテレビと映画両方の『ウルトラマンブレーザー』について解説するような放送を行います。

    ゲストとして友人のナオトさん(https://twitter.com/Triumph_march)をお迎えしてお送り致します。



    〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

    当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

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    また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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    合わせてお楽しみ下さい。





    さて本日のブロマガですが、前々回のブロマガの続き「松本人志とは何者だったのか」の後編となっております。



    ●やりたい笑いが評価されないが、テレビでは権威

    『ガキ使』『ごっつ』で時代の寵児となったダウンタウンですが、90年代後半につまずくこととなります。

    最初にして最大のそれは、97年の『ごっつ』突然の終了です。改変期でも無いのに、本当に突然終了したのです。

    きっかけは『ごっつ』のスペシャル番組が事前の連絡無しに野球に差し替えられたことですが、後に『放送室』などで明かされた話によると、それ以前からスタッフの怠慢やセットの不備があったこともあり、フジテレビ系列の番組出演をボイコットしつつ、人気絶頂での終了を決めたとのことでした。この時、松本はその場の怒りや感情だけで降板したのではなく、「俺がお笑いに対して、どれだけ強い想いを持って毎週『ごっつ』を作っていたか。それを、今辞めることで伝えられるはず」という考えがあったようで、それは十分に世の中に伝わったのですが、作り込んだコントを世の中に発表できる場が無くなったことも事実でした。深夜番組で低予算であるが故に、やりたい放題できる『ガキ使』とは違ったのです。

    また、同じフジテレビでも『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』や『ダウンタウンDX』といったトーク番組は残りました。これらでダウンタウンが行ったMCのスタイルも一つの「発明」でした。それまで、コンビ芸人が売れ、片方(主にツッコミ)がMCを担当するようになったら、もう片方は段々とくすぶってゆく……というのが通例だった(欽ちゃんやたけしや紳助の場合のように)のですが、ダウンタウンの場合MC(というか台本に沿った司会業)を行う浜田の傍らに松本が立ち、その場その場で的確な「いじり」や「たとえツッコミ」を行うという、現在でいうところの裏回し的な役割を発明したのです(MCとして立っているので裏ではないのですが)。そこに、更に浜田がツッコむことで、無限にトークが回ってゆきます。以後、爆笑問題やくりぃむしちゅーのように、このスタイルでコンビのままMCを担当する芸人が増えました。

    ただ松本はこれを発明とは思っておらず、容易いことと捉えている向きがあります。『松本坊主』には

    「あんなもんで五本六本レギュラーやってたら、こんなラクなことはないんですよ」

    「でも、それでは僕はちょっと何のために生きてきたのかわからんみたいなところあるから、それだけじゃ終わらしたくないんですよね」

    「でも、ビデオと『ガキ』だけやってるようでは、不器用な奴なだけかもわからないですからね」

    ……と、作り込んだお笑いをやり続けたいことを明かしています。


    そのビデオが、98~99年にかけて三本のVHSソフトとして製作された『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM』です。テレビでやれないコント、というか、セットに拘り、合間に明確な場面転換があり、カット割りに意味がある、舞台では成立しない映像作品でした。スタッフの笑い声も一本を除いて入っていません。『頭頭』の正統続編であり、後の映画に続く映像作品といって良いでしょう。

    はっきりいってメチャメチャ面白かったのですが、作るのに時間もおカネもかかること(総制作費は約1億円といわれています)、決して分かりやすい笑いではなかったことから、三本のみの製作(後のDVD化で特典ディスク追加)で終わりました。

    この後の松本は、『VISUALBUM』の延長線上にある、おカネも労力もかかる映像作品としての新しい笑いを作り続けます。それが01年に一回きりのスペシャル番組として復活した『ものごっつええ感じスペシャル』であり、07~13年にかけて4本作られた映画であり、10~11年にNHKで製作・放送された『コント MHK』であるのでしょう。

    しかし『ものごっつSP』の視聴率は9.0%、『コント MHK』のそれはパイロット版が6.2%で5回のレギュラー版がすべて2%台、映画は作る度に興行収入が落ち続け、撤退を余儀なくされることになります。

    松本のやりたい笑いは、世間から評価されなくなっていったのです。

     
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