• このエントリーをはてなブックマークに追加
マクガイヤーチャンネル 第7号 【質問コーナー 第2回】
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

マクガイヤーチャンネル 第7号 【質問コーナー 第2回】

2015-03-23 07:00

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    マクガイヤーチャンネル 第7号 2015/3/23
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    (前号からの続きになります)


    4.『ガッチャマン クラウズ』を番組で取り上げてください!!


    ……すみません。傑作であるという話は随分前から聞いていますし、自室のtorneにもしっかり録画してあるのですが、まだ観ていません。第二期も放送されるそうですし、なんとか時間を作って観てみたいところです。



    5.今企業がやっているDNA解析サービスは信用できるんですか? 受けた方が良いのでしょうか?


    前回の3番の質問と関連する質問ですね。もしかして、3番を質問した人も、本当に聞きたかったのはこういうことだったのかもしれません。


    今、企業がやっているDNA解析サービス――遺伝子検査は、ざっくり3種類に分けられます。

    A、健康な人が受ける遺伝子検査

    B、病気の人が受ける遺伝子検査

    C、家族が遺伝病の人が受ける遺伝子検査


    まず「A、健康な人が受ける遺伝子検査」について。

    これはちょうど4番で例に挙げたような遺伝子検査のことですね。4番で書いた回答内容の限りにおいて信用できます。

    問題は、お値段です。この種の遺伝子検査はだいたい保険適用されておらず、たいてい高いです。受けて損することはないですが、今のところ、無理して受ける必要もありません。どちらかといえば、会社や学校で受ける健康診断や人間ドックの方を優先して受けた方が良いでしょう。


    余談ですが、これは、セントラルドグマの考え方からいっても理にかなっています。

    DNA→RNA→蛋白質と情報が伝わっていくというのがセントラルドグマの考え方です。最終的に蛋白質(やその他代謝物)が代謝され、症状として現れます。健康診断や人間ドックでやる血液検査や尿検査などは、そこに含まれる蛋白質や代謝物の種類や濃度を調べているわけです。上流にあるDNA情報よりも、下流にある蛋白質や代謝物情報の方が、より緊急に対処する必要があるというわけですね。

    もっといえば、科学技術が進歩し、DNA解析が低コストになったおかげで、「明日・明後日に発症するわけではなないけれど、将来発症する可能性が比較的高い病気」が分かるようになったのです。


    次に「B、病気の人が受ける遺伝子検査」について。

    これは、いわゆる個別化医療とかテーラーメイド医療とかオーダーメイド医療とか言われてるものにおける、コンパニオン診断のことですね。

    たとえばがん治療の一つに、抗がん剤を投与するという方法があります。しかし、抗がん剤には人によって効果や副作用が大きく違うという問題があります。

    ところがヒトゲノム計画をはじめとする生命科学の進歩により、どの遺伝子のどの多型がどのように薬の効き易さに関係するか、段々と分かってきました。

    たとえば、薬害事件を起こしたゲフィチニブ(イレッサ)という抗がん剤があります。イレッサは肺がん治療薬なのですが、その後の研究で、非小細胞肺癌におけるがん細胞のEGFRという遺伝子に変異のある場合のみ、イレッサが有効であるということが分かってきました。現在、イレッサを投与する際は、必ず事前にがん細胞の遺伝子検査をして、EGFR遺伝子の変異が陽性の場合のみ使用することになっています。


    ヒトゲノムの他に、感染したウイルスゲノムを調べる検査もあります。

    たとえばC型肝炎の原因となるウイルスとしてC型肝炎ウイルス(HCV)がありますが、HCVの遺伝子型によってどのような薬が効くのか、効かないかが分かるようになってきました。近年、どんどんHCV感染症に対する新薬が発売されるようになり、「完治も夢ではない」と言われています。


    この種の検査は、お医者さんに薦められたら絶対に受けた方が良いです。勿論、検査によっては薬が効かない遺伝子型である可能性もありますし、薬の効きやすさも100%ではなく70%とか50%とかいった場合もありますが、無駄な薬を服用して時間とお金を無駄にしないという意味で、どのような検査結果であっても、しない場合よりもした場合の方が有益です。そうでない検査は、そもそもお医者さんが薦めてこないでしょう。


    最後に「C、家族が遺伝病の人が受ける遺伝子検査」について。

    これは、親族が重篤で根本的な治療法の無い遺伝病を発症していて、自分もそのような遺伝子を受け継いでいるのか・いないのかを診断する検査のことです。

    ハンチントン舞踏病やDRPLA、筋ジストロフィーなどがこれに当て嵌まります。

    検査も、民間の検査会社ではなく病院付属の研究所で行う検査になるかもしれません。

    根本的な治療法は無いものの、発症を遅らせる薬がある場合もあります。お医者さんとよく相談して、受けるか受けないかを決めて下さい。




    6.ドクター、どうやったら勉強が面白くなりますか? 勉強が習慣になりません

     

    学生の方でしょうか? これは皆が一度は抱えたことのある、大変な問題ですね。

    最初に結論を言ってしまうと、自分が好きで面白く感じるものしか勉強できません。結局のところ、自分の人生に関係あることと、自分が興味を持てるものしか、勉強しても身につかないのです。


     
    この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
    ニコニコポイントで購入

    続きを読みたい方は、ニコニコポイントで記事を購入できます。

    入会して購読

    この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。