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マクガイヤーチャンネル 第46号 2015/12/21
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こんにちは。『フォースの覚醒』と『Fallout4』で盆と暮れが同時にやってきたような幸せを感じているマクガイヤーです。
早く正月休みになるといいな!
今後の放送予定ですが、以下のようになっております。
○12/26(土)20時~
「Dr.マクガイヤーのオタ忘年会2015」
例年お楽しみ頂いている「オタ忘年会」。2015年のオタク的トピックスやアイテムについて独断と偏見で語りまくる予定です。
・『スター・ウォーズ フォースの覚醒』答え合わせ
・オートファジーとは何か?
・その他(例年通り)
の三つのコンテンツをご用意しております。
ちなみに過去のオタ忘年会はこちら
2014年 → https://www.youtube.com/watch?v=k9kfABeaJxw
2013年
○1/9(土)20時~ (日時が変更になりました。ご注意下さい)
「マクガイヤーゼミ特別編 しまさんpresents 2時間でなれる編集者講座」
新春第一回は特別編。
現役編集者であるしまさんが編集者の仕事についてレクチャーします。
本の作り方から編集者あるあるまで、普段はアシスタントを務めているしまさん主役のスペシャル回です!
以上、ご期待ください。
遺言 アーカイブ
さて、前回のブロマガの続きです。
トロフィーの起源は古代ギリシア時代のトロパイオン神にまで遡ることができます。
古代ギリシアでは、戦争に勝つと、トロパイオン神に感謝し、敵の武具を捧げる宗教的な慣習がありました。この慣習は次第に大掛かりなものになっていきます。戦場で敵が敗走を始めた地点や、勝者側の街の広場などに、青銅や大理石製の戦勝記念碑――トロパイオンが建てられるようになりました。
最も有名なものはオベリスクと呼ばれる花崗岩製の塔でしょう。元々オベリスクは古代エジプトで太陽神の象徴として建てられた記念碑でした。ところが紀元前525年以降、エジプトは様々な勢力に征服されます。ペルシア帝国に征服され、マケドニア王国に征服され、そして紀元前30年、ついにローマ帝国の属州――重税を課せられる植民地になりました。支配者であるローマ人は記念碑としてオベリスクを本国に持ち帰りたいと考えるようになります。巨大な専用運搬船が建造され、何十本ものオベリスクがローマに持ち込まれました。
その後、時代が下り、中世ヨーロッパ時代に入ると、トロパイオンは小型化しはじめました。これまた古代ギリシア時代から、殺した敵の頭蓋骨で杯を作って酒を注ぎ、部族で最高の勇者に勧め、勝利を祝う風習がありました。中世から近現代になると、材料が頭蓋骨ではあまりにも残酷すぎるということで、金や銀、クリスタル製の杯が作られるようになります。これらが現在の優勝カップや勲章、トロフィーの原型です。「戦勝記念として頭蓋骨を持ち帰る」という風習はついこの前まで西欧に残っており、太平洋戦争に参戦した米兵が日本人の頭蓋骨を持ち帰り、誇らしげに書斎に飾った写真が出回って問題になったりしています。
つまり、オベリスク、戦勝記念碑、トロパイオン、優勝カップ、勲章……トロフィーは、勝利や栄光の象徴であると同時に、征服や掠奪や搾取の象徴だったのです。
そのような歴史を考えると、「トロフィーワイフ」という言葉に、様々なニュアンスを感じてしまいます。
トロフィーワイフとは、成功して富も名声も得た男が、その象徴であるトロフィーであるかのように娶った、若く綺麗で性的に魅力たっぷりな女性のことを指します。タイガー・ウッズもドナルド・トランプも藤田進もパチンコメーカー京楽の社長も、成功した後に、年下で元モデルや元女優の美人な女性を妻として迎えました。その後、藤田進とタイガー・ウッズは離婚しましたし、後者は120人もの女性との浮気が明らかになりましたが、だからといって彼らが後にブサイクな女性と交際しているわけではありません。
つまり、トロフィー・ワイフとは、成功した男が身につける豪華な時計やスーツと同じアクセサリーの一つでなのです。初期『007』におけるボンドガールと同じで、女性のことをモノ扱いしているわけです。
ハーレムや、側室や、大奥や、その他様々な名前で呼ばれる実質的な一夫多妻制は、男性支配者の遺伝子と権力を同一人物へ継承させることを第一目的としています。
しかし、子供を作ることを前提としない、パイプカットした人物が採る一夫多妻制とは何なのでしょうか?
B子さんと話をしている間、私の頭の中にはずっとそのような考えが浮かんでいました。
B子さんが指定したのは個室、それも喫茶店の個室でした。居酒屋や料理店の方がその場の空気に流されて色々なことを喋ってくれる――色々なことを聞けるので有り難かったのですが、B子さんは自分が祖父の「愛人」であったことが世に知れ渡ることを警戒しているようでした。
実のところ、盗聴器を仕掛けられるかもしれない個室よりも、ざわざわと騒がしい居酒屋の方が、秘密保持という点では高レベルだったりします。隣席に目を配れるというメリットもありますし、自分たちの声の大きさにさえ気をつければ、実は、ずっと安心なのです。
しかし、せっかくB子さんが話をしてくれるというのですから、彼女の意向に従いました。機嫌を損ねるような真似をするわけにはいきません。
ちょっと驚いたのは、彼女が一人ではなく男性を伴って現れたことでした。一人で来るのは不安だったので、仲の良い友人の男性に付き添って貰ったということです。確かにメールで「一人でいきます」と明言していたわけではありませんでしたが、一対一で面会するものとばかり思いこんでいました。
しかし、考えてみれば、これは普通のことです。一般的な女性は、本気の力を出した男性に、肉体的に太刀打ちできません。最悪、身ぐるみ剥がれたり、レイプされたりする可能性すらあります。B子さんのような若い女性が、私のようなアラサー、アラフォーの男性と一対一で会うことに、それなりの身の危険を感じるのは当たり前のことでしょう。いくら交際していた相手の親族とはいえ、いや、親族だからこそかもしれません。
なにしろ「愛人」だったのですから。
B子さんは一貫して祖父のことを「先生」と呼びました。先生、せんせい、センセイ……なんでもいいですが、ここではセンセイと書きましょう。その方が私の伝えたいニュアンスが伝わるはずです。
B子さんがセンセイと交際したのは、mixiで書いた日記がきっかけだったと言います。
作家としてのセンセイのファンだったB子さんは、センセイの著作の感想をmixi日記に書きました。絶賛に近い感想だったそうです。
程なくしてセンセイの「あしあと」がつき、更にほどなくして、センセイからメッセージが届きました。本の感想をありがとう! 君ほどぼくの考えを理解してくれる読者はいません。感激して思わず涙がでちゃいました! よければどこかでお茶でもしながら、できれば食事でもしながら、もっと詳しい感想を聞かせてくれませんか? ――そんな感じの内容だったそうです。
同じく感激したB子さんは、天にも舞い上がる気持ちで指定された喫茶店に行きました。そこでセンセイは実によくB子さんの話を聞いてくれ、業界の内外の貴重な話もしてくれ、B子さんの悩み相談にまで乗ってくれました。この人はありのままの自分を受け入れてくれる――B子さんはそう思ったそうです。
そして、B子さんは最後に交際を申し込まれます。
「はじめて会った時から好きでした。恋人としてつきあって欲しい」
それが殺し文句のようなものだったといいます。
A子さんが言っていたことを裏付けるような話です。
ところが、恋人として――「彼氏」と「彼女」として――つき合っていくうちに、おかしなことに気づき初めたといいます。
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「俺には祖父の心が手に取るようにありありとわかる」等々、好き勝手に人の心を類推し過ぎに思えました。人の心が簡単にわかれば苦労はしません。新聞記者が政治家なんかを相手に行う取材でもよくあることですが、朝日新聞にしろ産経新聞にしろ、記者の中で予め決められた「書きたいストーリー」があり、そこに都合のいいパーツを嵌め込むために〝取材〟なるものをしている、といったことは日常茶飯事で、これは本当によくあります。思い込んでいるのでそのことに気づいてさえいない記者もいますが。そして、このブログの書き手も、取材対象者も、なんだか一部の悪意に満ちたネット民によって作られたイメージを前提に世界を色付けし、物事を語っているような違和感を覚えます。恐竜の化石を肉付けし色付けしたものの、実際の恐竜の姿からはかけ離れている、といったような。
このブログをどうにかあの世に転送して祖父に尋ねてみないと永遠に未完のままだし、フェアではありませんね。
それから前回、前々回の分に関して言えば、(一見)科学的な知見を並べて置き、それを他人を見下したり馬鹿にしたりするための材料として多様しているところが気にかかりました。お察しのとおり、本来科学とはそういうものではありません。(科学的知見が優生思想などを鼓舞する材料として使用される、といったような残念な歴史もありますが。)
また、私は過去に二件ほどとある社長の自伝のゴーストライターをやったことがあります。『「村上春樹の翻訳調の文体」で私の語った内容を文章にして欲しい』という依頼でした。しかし、自分は文章を書くのが苦手だというその二名の社長にとくに「発達障害」があるとは思えませんでした。また万が一そう感じても口にはしないでしょう。
ソクラテスの語った内容を文章化したのはプラトンですが、もしかしたら、それが昨今のネット時代だったならば「発達障害」などのレッテルを貼られるかも知れません。
私個人としては、語った思想が本になる、というシステムには関心があります。
HN ゲンロンカフェの人