• このエントリーをはてなブックマークに追加

KUBOTAさん のコメント

 汚染土壌敷地の跡地利用が事業所やマンションだったらいざ知らず,水揚げ直後の新鮮な生鮮食品が売り物の市場,それも日本一を誇る「築地市場」の代替地と言う特殊性を考えれば,常識的には東京ガスの土壌汚染工場跡地を代替地にするのは最初から無理筋の話だ.

 ましてや,専門家会議が提案した「盛土」対策を密かに反古にし,提案を無視し都民まで欺いて全く別構造の建物を完成させ市場を開場させようとしていた.都庁の土木や建築の方々,設計・ゼネコングループ方々の中に,私は専門家会議の委員よりも土壌汚染に詳しいと名乗り出られる人が居るの?.専門家会議の平田座長は長く土壌汚染の分野に携わって来た人だ.馬鹿にされた専門家会議が怒り狂わないのが不思議なくらいだ.”造っちまえばこっちのもんよ”なんて東京伏魔殿の元大殿の高笑いが聞こえて来るようだ.

 事の成り行きを見ていると小池都知事は,温厚な専門家会議の平田座長が安心・安全宣言をして,築地の人々に丁寧な専門家対応説明をしてその安心・安全を理解してもらい,少しの手直し対応での解決を模索しているようにも見えてしまう.この問題は孫崎さん指摘の『「本来あるべきでない場所に建設した豊洲市場を今後どうするか」の根本問題』に尽きる.

 築地の跡地開発利用を企む企業・人々の抵抗はあろうが,これから未来永劫に近いような長期間の地下水管理システム運用費用ほか不要な税金支出を考えれば,ここはきっぱりと市場利用を諦めて,物流拠点などの別用途利用を考えた方がすっきりするし都民と全国の築地食品利用者に安全・安心を与える.また小池知事も東京伏魔殿の一掃が出来る.

 公明党都議団が発表したシアン化合物「0.1 mg/L」の検出も大きな問題だ.シアン化合物は「検出されないこと」が地下水基準だ.分析結果の「0.1 mg/L」は,数値の取り扱いで有効数値の下二桁目が切り捨てられているだけで,分析記録には0.1を超える検出ピークが出ているのだろう.この場合,地点を変えて採水・分析すれば他でも検出が?と普通は考える.

 地下水管理システムはまだ稼働していないようだが,地下水吸引の揚水を開始すると,揚水井の周囲の地層間隙中の地下水を吸引するので,汚染対策工事の汚染残渣を吸引する可能性もある.揚水開始時から揚水した地下水を採水し,時系列で第三者を入れたクロスチェック分析を行うと,地下地層中の汚染実態の有無が明瞭になる.この場合,各所に配置された揚水井について個別に採水・分析を行えば,もし検出された場合に場所の特定が出来る.(2016年9月29日)
No.9
100ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
・敷地からは、13年以降、土壌から高い濃度の有害物質のベンゼンやシアン化合物などが検出された。都は有害物質を除去する土壌の対策工事を進め、おととし11月に安全性を確認。その対策工事の柱となったのが、汚染された土壌をきれいな土と入れ替える「盛り土」。専門家会議の提言をもとにしたものであった。地下2メートルまでの土壌をすべて取り除いたうえで、きれいな土で埋め戻し、さらに盛り土を重ねることで高さ4.5メートルの、きれいな土の層を造成したとしていたが、実際には建物の地下は盛り土をせず、空洞を設けていた。 ・小池知事は経緯の徹底解明と責任問題の追及を明言してきている。 ・しかし、問題は「豊洲市場が食品市場として適しないことが判明した中で、豊洲市場を今後どうするかが最大の問題である。 ・東京都による調査では、建物の下の空洞にたまった水から、微量のヒ素や六価クロム、それに鉛が検出された。
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。