りゃんさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
共謀罪が成立する見通しである。非常に残念なことである。
今、日本社会は、どんどん、民主主義の道から外れている。かつては日本は国際社会の先頭に立って、民主化の旗を振っていた。
今や、国際社会から、懸念を表明される国になっている。今、あらためて、その懸念を見てみたい。
2017年5月18日
内閣総理大臣 閣下
私は、人権理事会の決議28/16に基づき、プライバシーに関する権利の特別報告者としての私の権限の範囲において申し述べます。
これに関連して、組織犯罪処罰法の一部を改正するために提案された法案、いわゆる「共謀罪」法案に関し入手した情報について、閣下の政府にお伝え申し上げたいと思います。もし法案が法律として採択された場合、法律の広範な適用範囲によって、プライバシーに関する権利と表現の自由への過度の制限につながる可能性があります。
入手した情報によりますと次の事実が認められます
共謀罪が成立してとても良かったと思いますが、この際だから、少し距離をおいて評論風に述べてみます。
共謀罪は10年前なら成立しなかったとおもいます。なぜいま成立したのかというと、様々な理由がありますが、
私がもっとも重要だとおもうのは、この10年の間に「敵のイメージがはっきりした」ことがありますね。
それ以前の日本は敵をできるだけつくらぬよう、また現実に敵がいてもめをそらせて対応していました。
そういう対応がもはや限界にきたというわけですね。
多くの日本国民は、プライバシー侵害は「敵」におこることだと思って賛成しているわけです。
これは根拠のない話ではなく、治安維持法も当時としては「敵」あるいは「敵の周辺にいる可能性が高いひとたち」
が現実の対象でした。日本の敗戦によって、「敵」は実は「敵」でなく、日本自体こそが本当の「敵」だとなって、
そこが曖昧になっただけです。
民主主義社会にも「敵」はいますから、孫崎さんのいう、「日本社会は、どんどん、民主主義の道から外れている」
という立論は、間違いだとおもいます。仮に日本がある敵国の人全体を処罰対象に共謀罪を成立させたとすれば、
(そういうことが可能なのかとか、報復されるのではとかはこのさい無視して考える)、それは別に日本の民主主義にも
違反しませんし、日本の憲法にも違反しません。「敵」が対象だとはそういうイメージです。
戦争の危険をいう人もいますが、共謀罪が成立したから戦争の危険が高まったという因果関係ではありません。
同じ原因から戦争の危険が高まり、同時に共謀罪が必要になっているという並行関係です。
ただ、たしかに戦争の危険は高まっていると思います。戦争の被害を少しでも減らし、できれば戦争しないために、つぎは
憲法9条改正が必要ですね。来年のいまごろは、国会発議がおこなわれていることでしょう。
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