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りゃんさん のコメント

以前、「集団的自衛権の思想史──憲法九条と日米安保」(篠田英朗)を紹介しました。これは名著といっていい本でしたが、
つい最近、同じ著者の最新刊がでました。
「ほんとうの憲法: 戦後日本憲法学批判」 です。

私もいま読み終えつつあるところですが、こちらは新書だし、はやく読めます。また、どちらかを読んでおくと、集団的自衛権についての議論の見通しがよくなります。

本書では「集団的自衛権論議」や「憲法9条解釈」が、日本でこのようにゆがんでいる理由が根本からわかりやすく解明されています。種明かしすれば、戦後の東大の憲法学者たちの心理ということになります。

しかし戦後も数十年以上たったいま、「集団的自衛権論議」や「憲法9条解釈」が東大の憲法学者によるいわば秘術をやめて、政治家(=law maker)が気軽にクチにだせ、しかも論理的に深く理解していることが、孫崎さんの引用している岸田氏のことばからも推測できます。ここまでくれば、ゆがみは誰でも意識できるようになり、いずれは改憲に向けた大きな原動力となると思います。

なお、岸田氏は安全保障関連法が成立したから当面9条改憲はいらないという立場のようですが、著者の篠田氏は、ゆがみをリセットするために改憲したほうがいいという立場です。岸田氏と篠田氏のちがいは、実務政治家と学者との性格の違いにねざすものであり、実際はかなり近いだろうと思われます。
No.5
89ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
自民党は都議選で大敗を喫した。主たる理由は加計学園である。安倍政権に対する不信が最大要因である。当然これでいいかの動きが出る。現実的に動き始めていないが将来の含みのあるものを含め、幾つかをまとめてみたい。 ・ 岸田 外相は4日の講演で、 安倍 首相の看板政策 アベノミクス を修正する必要性を強調した。 東京都議選 の 自民党 惨敗を受けて党内各派閥がうごめく中、来秋の総裁選をにらみ、 憲法9条 改正への異論に続いて 経済政策 でも、首相と距離を置き始めた格好だ。 参考:岸田氏「9条改憲は不要」 首相との違いが鮮明に」( 2017 年 5 月 12 日東京) 「岸田文雄外相は十一日の参院外交防衛委員会で、安倍首相(自民党総裁)が憲法九条に自衛隊を明記する改憲を提案したことを巡り、九条改憲は当面不要とした自身の一年半前の発言について「考え方は変わっていない」と明言した。党総裁の首相とは考えに違いがあることを認め「九条については、世の
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。