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りゃんさん のコメント

こういう運動が勢いをもつというのは、それなりの個別具体的事情が背景にあるはずなのですから、イタリアにおけるそこのところを明らかにした上でさて日本ではと考えるのでなければ、愚劣な議論になります。

直接民主主義と間接民主主義はどちらかが絶対的に優れているというものではありません。今回の孫崎さんの記事を読んで、あ、やっぱり直接民主主義がいいのだと思い込む馬鹿ななひとびとが政治に強い影響をもつことを排除するためには、やはり間接民主主義も捨てがたいところがあります。

その議論はルソーの「全体意志」と「一般意志」との区別にまでさかのぼることができましょうが、われわれの日本国憲法も、前文の冒頭で「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」と、明記して、日本は間接民主主義をとることを宣言しており、実際に国政においては直接民主主義的制度は、憲法改正の国民投票、最高裁裁判官の国民審査、地方自治特別法の住民投票のみっつしかありません。国政における直接民主主義は、日本では、政治運動としてはともかく制度として実装するのは、憲法改正が必要になるということになるわけです。

なぜこのように直接民主主義が慎重に排除されているのかを学ぶことこそが、日本が「日本民主主義人民共和国」にならないために必要な教養であろうとおもいます。
No.4
83ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
「イタリアを席巻する“直接民主主義”」(月刊日本より抜粋) イタリアの「五つ星運動」のリーダー、フラカーロ下院議員とのインタビュー   ―現在、世界的に民主主義が行き詰っていますー フラカーロ まさに五つ星運動は民主主義の危機に対して立ち上がりました。正確に言えば、代議員性民主主義が危機に陥っているのです。 市民は五年に一度、国政選挙で投票するしかない。政権与党は五年間、好き勝手なことをします。指をくわえて見ているしかありません。この無力感から政治不信が生まれます。そうではない。いま市民は良く知らない他人を代理人に選ぶのです。 本来、国会議員は市民に雇用された従業員です。想像してみて下さい。雇用主が従業員をコントロールできず、従業員が勝手に給料や労働時間を決めているとしたら、その会社は数日で倒産するに違いありません。国家も同じです。 問題はシンプルです。代表
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。