りゃんさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
原発再稼働阻止に向けて、新たな動きがあった。
福島原発事故で、事故時の被害は立地市町村だけではなく、簡単に30 KM 圏内にまで広がる。であれば、再稼働の同意は30 KM 圏内自治体からもえなけらばならないとするのは当然であるが、これまでは、立地市町村と県のみであった。今回これを30 KM 内6市町村に拡大する合意ができたことは画期的である。
今一つ、これまで原発は安いというキャンペーンが張られてきたが、「伊方2号機廃炉 再稼働、コスト回収困難」という動きが出た。これもまた、再稼働阻止への新たな要因である。
A-1 :再稼働同意 30キロ圏に拡大 東海第二 6市村と新協定(東京新聞)
首都圏唯一の原発である東海第二原発(茨城県東海村)の再稼働を巡り、三十キロ圏の水戸など六市村と日本原子力発電(原電)は二十九日、原電が各自治体に同意に当たる事前了解を得ることを明記した新協定を結ん
https://mainichi.jp/articles/20180327/k00/00e/040/234000c
このニュースでわかるのは、
1,2号機は2022年に40年の運転期限を迎えるということ
2,約1900億円の安全対策費をかけて最長20年の運転延長ができるということ
3,そうしても投資を回収できないという判断がなされたということ
4,廃炉期間は約40年で、費用は約400億円を見込んでいるということ
だとおもいます。この4つは原発一般を考える上でもおさえておくべきポイントだとおもいます。
日本では新規原発建設は事実上不可能な一方、現在ある全原発は、いずれは物理的な限界をむかえるので(上記1の点)、放っておいてもいずれは全原発が廃炉をむかえ、その後(5,60年後といわれてるみたいですが)には日本に原発はなくなります(廃炉中や廃炉後の原発、使用済み燃料の安置保管の問題は残る)。
投資すれば廃炉までの期間を伸ばすことはできますが(上記2の点)、地域が衰退していくなどの理由で、経済的に見合わなければ、投資判断は中止される(上記3の点)。そして、原発を稼働させようがさせずに置いておこうが、運転期限を延長しようがしまいが、最終的に全原発に廃炉費用がかかるということ(上記4の点)がわかるわけですね。
原発を再稼働させるかどうかの判断にあたって、廃炉までの間稼働させようがさせまいが、廃炉費用と使用済み核燃料の安全確保の費用、使用済み核燃料の処理・安置保管施設のための費用はかかるのですから、この点は再稼働させるかさせないかの判断の根拠にはなりません。
一方、再稼働させれば稼働中の原発が事故やテロにあったときのリスク(正確には停止中の原発が事故やテロにあったときのリスクを超える分)が問題になりますが、他方、再稼働させなければ火力発電によるCO2排出の問題、アブラやガスの輸入による国富の海外流出の問題、アブラやガスの国際価格に日本が振り回されがちになり中東などへ日本が関与せざるをえなくなる危険等々があります。また、良質な電力が十分に使える環境になければ、製造業はますます衰退せざるを得ないでしょう。電気自動車も普及できず、自動車の輸出国の地位も失うかもしれません。
わたし自身は、現在ある原発の廃炉までの再稼働には賛成で、アブラやガスに使わずにすんだカネは、再生エネルギー研究等にふりむければいいとおもうのですが、国の政策としては民主主義的に決めれば良いことだとおもっています。しかしその場合でも、「その後」の社会についての想像力は必要です。わたしは、原発の動かない未来には、わりと暗い想像しかしていません。そのうち明らかにシワ寄せが来ると思っています。
この冬、東京では電力不足のおそれがあったというのは、原発問題に関心のある人の間では常識です。
https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2018_0214.html
原発の動かない未来、いずれは、銀座のネオンもコンビニの深夜営業の灯も消えないが、貧しい都会の老人は電気代を払えずに暖房が十分使えず、死ぬことになるのでしょう。
Post