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りゃんさん のコメント

この件は、刑事手続きが現行法上尽くされているという点が大きいんですよ。いつまでも「疑惑」と言ってりゃすむモリカケ問題とはそこが決定的にちがう。検察が、公判で有罪にできるほどの嫌疑がないと判断し、検察審査会(お上ではありません、念のため)もそれに追随している。そんなものを、裁判所が独自に調べて有罪とできるはずがない。望月記者は裁判の構造も理解してないのでしょう。

そして、本当に何があったのかは別として、刑事手続きを尽くしたうえで犯罪の嫌疑がなかったという人を犯人扱いしないのは、おおげさにいえば、ベッカリーアとかフォイエルバッハ以来の人類の努力の末に勝ち取られた人権です。望月記者はその重要性もよく理解していないのでしょう。男性は権力に近く、半ば公人だという反論はあるでしょうが、疑惑が真実かどうかハッキリしない段階での報道ならともかく、疑惑が(刑事手続き上)ないことになった以上は、人権がより重視されて当然です。報道が「不起訴なら書かない」のは、この常識があるからなのが第一ですね。つまり、人権を重視するのは、報道機関として当然ですし、男性が名誉棄損で訴えてきたらどうするという問題もありますから。

しかしそれでも、人権に配慮したうえで、報道することはできます。たとえば、逮捕がなぜ中止になったのかは今でも解明されているとはいえない。ここはわたしも知りたい。報道への需要はあるんですよ。

しかし報道されないのは、私の見るところでは、望月記者のいうような「お上至上主義」というよりは、単純に学力不足と取材力不足だとおもいます。「人権に配慮したうえで報道する」ためには学力も取材力も必要で、難しいので、できないんだとおもいます。それは望月記者の今回の議論読んでても、なんとなく感じることです。これが「不起訴なら書かない」第二の理由だとわたしはおもいます。

官房長官にくだらない質問するあいだに、少し勉強でもしていれば、この問題で、もう少し追及できたろうになあと思う次第です。権力追及という名目で、言いっぱなしの報道(総理大臣の「疑惑」追及ならそれが許されますから)をしてきたツケがまわってきたという気がします。
No.14
73ヶ月前
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望月衣塑子・東京新聞記者論評『司法判断は正しいのか』・(月刊日本より抜粋) ―英国 BBC は元 TBS 記者の山口氏からの準強姦被告を訴えるジャーナリストの伊藤詩織さんを取材したドキュメンタリー番組を後悔しました、伊藤さんを取材した望月さんは、どう受け止められましたかー  この番組は伊藤さんの事件をきっかけに、日本では性被害者が声を上げられない状況があり、女性の人権が尊重されていないのでないかという問題を提起しました。  伊藤さんの事件では東京地検が不起訴処分(嫌疑不十分)、検察審議会が不起訴相当を出しています。メディアは起訴されたらバンバン取り上げたと思いますが、不起訴だったので大きく取り上げることはありませんでした、  一方 BBC は外国で不起訴になった事件なのに、社会問題として真摯に取り上げました。  もしもイギリスで同じような事件が起きていたら、たとえ刑法上の責任が
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。