りゃんさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
岸は一九四五年九月十一日、A級戦犯容疑で逮捕され、巣鴨拘置所に入ります。その拘置所のなかでの気持ちをこう書いているのです。
「冷戦の推移はわれわれの唯一の頼みだった。これが悪くなってくれば、首を絞められずにすむだろうと思った」(『岸信介証言録』)
つまり、冷戦になれば米国は自分を使おうとする、だから自分の命が救われると言っています。
岸信介は、みなさんもおそらくご存じのとおり、一九六〇年に新安保条約の締結を強行した人物です。CIAから多額の資金援助をうけていたこともわかっています。したがって米国追随一辺倒の政治家というイメージがあります。でも調べていくと、驚くことに岸は対米自立路線を模索しているのです。
岸信介は一九五六年十二月、石橋内閣の外務大臣になります。このとき岸は、「旧安保条約はあまりにもアメリカに一方的に有利なものだ。形式として連合国の占領は終わったけれど、
被収容者たちの獄中日記ほかを読めば書いてあるらしいが、自分にはそこまでの余裕はない。
いまネットで調べてみると、
https://blogs.yahoo.co.jp/hpcriticism/36816381.html
に(短すぎるが)その概要がまとまっているとおもう(池田の部分は除く)。
要するに、獄外での肩書や地位が、無意味な中で、高位の軍人や官僚たちがあさましい行為をする一方、
岸は一種の正義を貫いたということらしい。そしてそれが、(御厨貴のいうところの)セルフメイドマン
たちに好印象を与えたのだという。それはその後の岸の政治的資産になった。そのようにセルフメイドマン
たちに気に入られるような人間性をもつ一方、学生時代には我妻栄と主席を争った頭脳の持ち主という言い伝えも岸にはある。やはり一種の天才なのだとおもう。
岸について考えるとき、わたしは朴正煕のことも自然に考えている。
今般話題になっている、半島出身労働者の個人補償を、もし韓国人労働者個人が受け取っていた場合、何も残らなかっただろうとおもう。しかし国として受け取ってたって、政権が腐敗していれば、やはり何も残らなかったのだ。そんなふうな国はたくさんある。
朴正煕が100%クリーンだったとかいうようなことをいいたいのではない。彼は日本からカネや技術をむしりとって、
結果として韓国を経済成長させたのだ。その朴正煕が、韓国の(かなり大きな)世論ではいま「親日派」といわれて
叩かれている。しかし多少とも朴正煕を調べてみると、かれはいわゆる「用日派」ではあれども、決して「親日」ではなく、むしろ「反日」なのだ。朴正煕をたたく韓国人たちは、朴の「反日」や経済成長の実績には無頓着だ。
ところで、今回孫崎さんはなぜこんな投稿をしたのだろう。韓国が日韓基本条約を一方的に反故にしようとしているように、日本も日米安保条約、さらにはサンフランシスコ平和条約を一方的に反故にすればいいというなぞかけなのだろうか。
しかし、韓国がそういう振る舞いをできるのは、甘い日本が相手だからなのだ。しかしその日本ですら今回ばかりは、政府も厳しい態度をとっている(腰砕けに終わるかもしれないが)。
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