• このエントリーをはてなブックマークに追加
意外でしょうが、安倍氏の祖父、岸信介は、米軍情報関係者と緊密な接点を持っていたが、他方首相として、米軍削減、日米地位協定(当時は行政協定)の改革を目指していた。逆に米国は「岸降ろし」(私の『戦後史の正体』より)。
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

意外でしょうが、安倍氏の祖父、岸信介は、米軍情報関係者と緊密な接点を持っていたが、他方首相として、米軍削減、日米地位協定(当時は行政協定)の改革を目指していた。逆に米国は「岸降ろし」(私の『戦後史の正体』より)。

2018-11-04 08:18
  • 6

岸は一九四五年九月十一日、A級戦犯容疑で逮捕され、巣鴨拘置所に入ります。その拘置所のなかでの気持ちをこう書いているのです。

「冷戦の推移はわれわれの唯一の頼みだった。これが悪くなってくれば、首を絞められずにすむだろうと思った」(『岸信介証言録』)

 つまり、冷戦になれば米国は自分を使おうとする、だから自分の命が救われると言っています。

岸信介は、みなさんもおそらくご存じのとおり、一九六〇年に新安保条約の締結を強行した人物です。CIAから多額の資金援助をうけていたこともわかっています。したがって米国追随一辺倒の政治家というイメージがあります。でも調べていくと、驚くことに岸は対米自立路線を模索しているのです。

岸信介は一九五六年十二月、石橋内閣の外務大臣になります。このとき岸は、「旧安保条約はあまりにもアメリカに一方的に有利なものだ。形式として連合国の占領は終わったけれど、

この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
ニコニコポイントで購入

続きを読みたい方は、ニコニコポイントで記事を購入できます。

入会して購読

この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

コメント コメントを書く

「戦後史の正体」の抜粋であるが、何故、今、抜粋なのかの理由がわからない。孫崎さんは、今回の沖縄における選挙と日米安保沖縄地位協定との関係性として本当の政治家岸信介の存在を位置づけたかったのかもしれない。

高校生の時、新聞で岸首相の発言内容の奥深さに驚いたことを覚えている。深慮策謀ということより、言葉の真意を探っていくと、その時分析した方向性が後日明らかになってくることであった。政治家のすごさを知ったのであるが、硬軟を使い分けることが岸首相に可能であっても、池田ほかの単細胞政治家は、野党受けする強気の方向性を取り、お話のように退陣に追い込まれていったように記憶しています。

米国との交渉について卓越した岸信介にほかの政治家がついていけなかったというより、米国に対する見方が甘すぎたといえるのでしょう。岸信介が世の中で逆の評価をされていることが、日本外交の幼さを指し示しているのであるが、理解する人が少ない中で、岸信介を取り上げた意義は大きい。

No.1 73ヶ月前

>>1同意します。

No.2 73ヶ月前

孫崎先生のこの度の文章をざっと読んで、岸信介の内奥の心理が分るようで実に興趣溢れるものであると感じますね。私なりに彼の心理をフィクションにしてみました。

岸信介は1941年に米国のグルー大使と別れのゴルフをしている。その時、ランチで「日本は貴国と戦争するが、負ける。その時は宜しく」と言ったでしょう。日本の敗戦後、グルー氏は外郭団体を引き連れて岸の救出に動いた筈だ。岸がその後すぐに釈放されたことからも推測される。

大陸事情に詳しい岸とは言え、反共で息巻いていている米軍の期待にどれだけ応えられたか?限定的でしか無かったに違いない。寧ろ、日本での反共に活躍したのではないだろうか。岸は東条時代の商工大臣。大陸政策では中国共産党のゲリラに辛酸を舐めさせられた数少ない文官。中国共産党の強さを自分だけ密かに知っていたに違いない。

「駐留米軍の最大限の撤退」は岸の本音ではないだろうか。日本をころりと敗北させた最強の米軍団と言えども大陸に侵攻して戦えばどうなるか。日本が巻き込まれれば、地獄の再現になると岸は思ったに違いない。そこで、彼は表面的には「日本の真の独立」を掲げて、その裏では「中国共産党との戦争に再び巻き込まれ負けるのはかなわん」と考えて発した言葉だと観ても可笑しくない。岸は狂信的な反共主義者でCIAともつながっているからこそアリバイ十分の上で発せられたつぶやきではなかったか。

これは余談だが大事。
岸のお爺ちゃんが活躍していた頃の中国共産党より遥かに強くなっている中国共産党が指導する中国と敵対することをスローガンにした孫の安倍晋三とは一体何者ぞ。

No.3 73ヶ月前

>>1
池田他単細胞とは言い過ぎではないだろうか。池田の「所得倍増」は一気に力を発揮しジャパンナンバーワンになったのをお忘れですか?更に言わせて貰えば、岸は独立を言ったが、全然、結果を出せてない。むしろ、ダレスの言い分を全部聞き入れている。

No.4 73ヶ月前

昨夜の生放送チャットタイムで語られた地位協定をカンタンにリセットする方法━安保条約を止めると通告するだけで1年後、自動的に現・条約は廃棄となる。その下の地位協定も無効。こうして安保をアップデートする体裁とって あるべき地位協定に作り直せばいい━これを仕組んだ岸信介、当初は米国に支援、利用されるも、中東戦略の邪魔になると一気に捻り潰されたサダム・フセインと同様の扱いだったことが分かる。米国はいつでも何処でもそうでないか。
歩行プログラム → ジョギングプログラムと段階踏ませず、初めから「毎日5km、25分以内。できなきゃジョギングする意味なし」と中高年をけしかける手口もそう。「現実問題としては実現不可能」だから諦めざるを得ない。北方領土問題も全く同じ。つまり、米国は馬鹿の一つ覚えの如く単純な同じ手を繰返しているだけ。「単純なものほど強い」との信念からでないか。その裏をかく戦略が要る。

Tips:
「孫崎享のつぶやき」-迷惑コメントを非表示にする方法━「ウザコメ互助会、ブログ開設!」馬鹿も騙せないフェイクニュース
http://magosaki-blog-tips.blogspot.com

No.6 73ヶ月前

岸信介は、巣鴨で、同じく被収容者の日本人(戦犯容疑者)から評判が良かった。これをわたしは御厨貴の講義で学んだ。
被収容者たちの獄中日記ほかを読めば書いてあるらしいが、自分にはそこまでの余裕はない。

いまネットで調べてみると、
https://blogs.yahoo.co.jp/hpcriticism/36816381.html
に(短すぎるが)その概要がまとまっているとおもう(池田の部分は除く)。

要するに、獄外での肩書や地位が、無意味な中で、高位の軍人や官僚たちがあさましい行為をする一方、
岸は一種の正義を貫いたということらしい。そしてそれが、(御厨貴のいうところの)セルフメイドマン
たちに好印象を与えたのだという。それはその後の岸の政治的資産になった。そのようにセルフメイドマン
たちに気に入られるような人間性をもつ一方、学生時代には我妻栄と主席を争った頭脳の持ち主という言い伝えも岸にはある。やはり一種の天才なのだとおもう。




岸について考えるとき、わたしは朴正煕のことも自然に考えている。
今般話題になっている、半島出身労働者の個人補償を、もし韓国人労働者個人が受け取っていた場合、何も残らなかっただろうとおもう。しかし国として受け取ってたって、政権が腐敗していれば、やはり何も残らなかったのだ。そんなふうな国はたくさんある。

朴正煕が100%クリーンだったとかいうようなことをいいたいのではない。彼は日本からカネや技術をむしりとって、
結果として韓国を経済成長させたのだ。その朴正煕が、韓国の(かなり大きな)世論ではいま「親日派」といわれて
叩かれている。しかし多少とも朴正煕を調べてみると、かれはいわゆる「用日派」ではあれども、決して「親日」ではなく、むしろ「反日」なのだ。朴正煕をたたく韓国人たちは、朴の「反日」や経済成長の実績には無頓着だ。




ところで、今回孫崎さんはなぜこんな投稿をしたのだろう。韓国が日韓基本条約を一方的に反故にしようとしているように、日本も日米安保条約、さらにはサンフランシスコ平和条約を一方的に反故にすればいいというなぞかけなのだろうか。
しかし、韓国がそういう振る舞いをできるのは、甘い日本が相手だからなのだ。しかしその日本ですら今回ばかりは、政府も厳しい態度をとっている(腰砕けに終わるかもしれないが)。

No.7 73ヶ月前
コメントを書く
コメントをするにはログインして下さい。